消費税増税、軽自動車税アップ、取得税廃止…変わるクルマの税金まとめ

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昨年（2014年）4月、消費税増税にともなって自動車取得税が5%から3%に引き下げられましたが、今年4月は「軽自動車税が値上がり」します。そしてややこしいのですが、今後消費税10%になったタイミングでは「自動車取得税が廃止」となります。下がったり上がったり…みなさん、このあたりをはっきりとご存知でしょうか？ 消費税が上がって、取得税が廃止…自動車購入はお得になったのか？ ならなかったのか？ 本稿ではこの辺りを徹底調査してみましたよ。

自動車の税金一覧

自動車関連税は、なんと9種類も!

まず、今回の自動車取得税や軽自動車税についてご説明する前に、自動車関連で我々が収めている税金をまとめてみました。なんと、自動車関連の課税って9種類もあるんですよ。まず自動車購入時に発生する税金が2種類、そして保有している際に発生する税金が7種類です。形を変えて、こんなに支払っていたんですね。

	税金	税種別	備考
購入時	消費税	国税	2014年4月より5%から8%に増税。10%へ。
	自動車取得税	都道府県税	消費税5%時：5% 消費税8%時：5%から3%へ減税 消費税10%時：廃止
所有時	自動車重量税	国税	車検ごと（3年、2年）
	自動車税	都道府県税	毎年
	軽自動車税	市区町村税	2015年4月より7,200円から、10,800円へと値上げ。
	ガソリン税	国税	都度
	軽油取引税	都道府県税	都度
	石油ガス税	国税	都度
	消費税	国税	都度

さて。今回の税制改正において、ポイントは2つです。1つが「自動車取得税」の廃止。そしてもう一つが「軽自動車税アップ」です。1つ目は減税、2つ目は増税となっていますが、これはなぜでしょうか。解説いたしますよ。

軽自動車税がアップされるワケ

取得税の税収は年間2000億円！

消費税が5%から8%へ、そして10%へと上がっていくにあたり、自動車業界の低迷を鑑みて行われたのが「自動車取得税の廃止」です。この取得税ですが、車体価格の3%（以前は5%）に課される税金でしたが、消費税と二重課税になっていました。このため、自動車業界が長く廃止を求めてきたため、このタイミングで減税→廃止が決定されたのですね。

ただこの廃止にあたって、各地の自治体が強く反発しました。というのもこの自動車取得税は国税ではなく都道府県税。もともと税収減に苦しむ自治体の貴重な税源が減少するわけですから、これはある意味当然とも言えますよね。しかも自動車取得税は、年間2000億円にも達するのですから、なおさらです。環境性能の悪い車への課税強化なども実施されますが、当然補填されないわけで…。

そこで注目されたのが、市区町村税の「軽自動車税」なのです。軽自動車税は年間7,200円と、年間29,500〜111,000円*が課される普通車よりも大きく優遇されています。ここを増税することで、バランスと取ろうというわけですね。またこの軽自動車税のアップは、TPP交渉でも「米国製自動車の日本参入を阻害している」と問題視されていたことも後押しとなったようです。なお軽自動車税は、2015年4月より従来の7,200円から10,800円へと150％アップとなっています（バイクは500cc未満で1,000→2,000円、250cc超で4,200→6,000円）。

*車種、排気量により異なる

自動車取得税の廃止。どう変わる？

取得税廃止と言いつつも負担は増加

自動車税廃止されて、消費税がアップして…それでは我々ユーザーにとって、これは税負担は増えるのでしょうか？ 減るのでしょうか？　実はこれ、増えるんです。計算するとわかります。例えば、「消費税5%・取得税5%」という従来の条件で、300万円の新車を購入する場合。取得税は13.5万円（取得税の課税ベースは新車価格の約90％と言われています）、消費税15万円で、支払額は328.5万円ですよね。一方、「消費税10%・取得税0%」では、330万円となり1.5万円の増税というわけです。

しかもこれはあくまで普通車の話で、軽自動車の場合は取得税率が3％でしたから、さらに消費税増税分の負担は重くなります（軽自動車税もアップしますしね）。もし自動車を購入することが決まっているなら、消費税増税前がやはりお得なようです。