Apple「CarPlay」がアップデート。ワイヤレスにも対応。

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上の写真はメルセデス・ベンツ「Cクラス」。

今年で開催から26年を数えるアップルの開発者向けイベント「WWDC 2015」にてiphoneの最新OS「iOS9」が発表されましたね。内容は新機能満載というわけでなく、安定性向上にフォーカスしたやや地味なアップデートでしたが、ナビ機能である「CarPlay」はパワーアップが図られていますよ。対応車種はまだまだ少ない「CarPlay」ですが、今後BMWやMINIでも対応モデルが登場していくでしょう。そこで本稿では、このCarplayについて、新しく発表されたばかりの機能を含め、解説していきたいと思います。

CarPlay

iPhoneがキーやナビ、音楽サーバーに

読者の中には「CarPlayってなに？」という方も、多くいらっしゃるかと思いますので簡単に解説します。CarPlayとはiPhoneと自動車を接続し、iPhoneの地図アプリやメッセージ、音楽などを自動車のディスプレイやスピーカーを使って利用できるというもの。将来的にはエアコン操作やエンジン始動なども可能になるかもしれません。いわばiPhoneが車の鍵であり、音楽サーバーであり、ナビである…というイメージでしょうか。

新機能

ワイヤレス接続をサポート

CarPlayを使用するには、iPhoneと自動車を接続する必要があります。これまでは有線接続（ライトニングケーブル）でしたが、今回のWWDC2015ではワイヤレス接続にも対応すると発表されました。乗り降りの多い方や、コードを自動車に常備しておくのが嫌だという方は多いと思いますので、非常にありがたいですね。

対応ディスプレイも増加

これまでのCarPlayでは、接続するディスプレイのアスペクト比や解像度に制約がありました。しかし今回の発表では、対応ディスプレイがぞうかするのだとか。、これによってHiDPIなど高解像度に対応、圧倒的に美しい文字や写真、動画が楽しめるようになります。

自動車データの表示

この他、自動車メーカーにおいてCarPlay用に機能提供が可能になっています。例えば自動車メーカーが、CarPlayにETC利用履歴やタイヤの空気圧やオイルレベルなどのメンテナンスデータを表示するというような使い方が可能になります。

対応状況

BMWグループとしての対応車種はなし

BMWグループは、CarPlayのワーキンググループに参加していますが、メルセデスやVWと異なり、未だに対応車種がありません（VWはシャラン、メルセデス・ベンツはC-class）。将来的には「CarPlayベースのiDrive（iDriveのOSを停止）」になる可能性もありますが…。シェアでみれば数の少ないCarPlayでは難しいでしょう。今後Google社の提供する「Android Auto（CarPlayと基本的には同じもの）」にも対応するなら可能性はありそうですが…。まずはiDriveに加えてCarPlay「も」使えます、というスタートになるのではないかと思われます。

ただ自動車メーカーは「本業」ではない、こうしたITシステムの開発に頭を抱えているというのも事実。今後iOSやAndroidへ依存を高めていく可能性もありますね。個人的には何年も乗る自動車に、足の早いIT機器を”据え置き”で購入するのは抵抗があります。CarPlayなのか、Android Autoなのか、はたまたWindows Mobileなのかわかりませんが、スマホベースになってくれるほうがありがたいということだけは思います。