MINIが、革新的なアイウェアを上海モーターショーでワールドプレミアするようですよ。その名も「MINI Augmented Vision」。このアイウェア、車の情報やインターネット情報などを取得し、ドライバーをサポートしてくれるのだとか。一体、どんなものなのでしょうか。
拡張現実(Augmented Reality)とは?
ますます盛り上がるAR市場
そもそも拡張現実(以下AR)とは何でしょうか。それは「コンピューターを利用して、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術」のこと。従来より未来を象徴する技術の1つとして大きな注目を集めてきた分野です。特に最近ではGoogle社が発表した「Google Glass」が話題となりましたよね。
ただ数ヶ月前にGoogle社は、この「Google Glass」を販売停止に。AR分野は一気にトーンダウンしたかに思われました。しかし、決してそんなことはありません。このAR分野は超有望マーケットとして、大手IT企業などがこぞって投資を行っています。例えば、Facebookは「Oculus」を20億ドルで買収、またGoogleも「Magic Leap」を5億4200万ドルで買収しているんです。なおサンフランシスコの調査会社「Digi-Capital社」によれば、AR分野は2020年に市場規模が1200億ドル(日本円で14.4兆円!)になるとしています。
概要:MINI Augmented Vision
さて。そんな中、今回発表されたMINIの「Augmented Vision」。開発は、アメリカの通信技術企業として有名なクアルコム社と共同して行われたようです(デザインはもちろん、BMWグループデザインワークスUSA)。
気になる機能面ですが、Google Glassなど他のアイウェアとの違いは「積極的な利用」を想定していない点です。どちらかというと受け身…ドライバーを “サポート” することに重点が置かれているように思われますね(インターネット検索やカメラ撮影、アプリ利用などは重視されていないようです)。つまり、「MINI Augmented Vision」が取得した情報をベースに、快適で安全なドライブを提供するアイテムと捉えるのが良いのでしょう。それでは具体的な機能についてご紹介しましょう。
機能
ナビゲーション
- 車外にいる時に設定した目的地情報を、車内ナビに転送可能。
- 車に乗るまでも、車を降りてからもナビを続けてくれる。特に駐車場から目的地までのナビは便利かもしれません(下の動画をチェック)。
- ナビゲーションのルート上にある重要なスポットを表示(駐車場の空き情報など)。
公式動画:Get X-Ray View with MINI Augmented Vision
ヘッドアップディスプレイ
- 「路上」に表示されるコナログ・ナビゲーション矢印を用いて現実を拡張することにより、視線を常に交通状況に向けたままにできる。また、駐車場の空きスペースなどのルート上のPOI(重要スポット)をコナログ表示することが可能。
インターネット連携
- メッセージを受信するとアイウェアに小さなシンボル・マークが表示され、届いたSMSは車両に読み上げさせることができる。安全上の理由から、走行中はテキストの表示は行えない。
その他の先進機能
- 車両パーツ(例えばAピラー、ドアなど)のバーチャル・ビューにより、死角となっている領域を透過して見ることができる(下の動画、2番目をチェック)。
- (運転席の反対側の)ミラー内に取り付けられたカメラの映像をアイウェアに投影し、駐車を容易にする。この機能により、縁石との距離を明確かつ快適に確認できるようになる(下の動画、3番目をチェック)。
公式動画:Get X-Ray View with MINI Augmented Vision
フォトギャラリー
BMWとアイウェア
あくまでコンセプトとして受け止める段階か!?
もともとBMW社はGoogle Glassを、生産過程の効率化を目的に昨年末より採用していました。今回のMINIのアイウェア(MINI Augmented Vision)は、BMW社としてのアイウェアへの積極的な姿勢の1つなのかもしません。
ただ、この「MINI Augmented Vision」はあくまでプロトタイプ。本当に発売されるかどうかは未定です。それになにより、この商品がどれだけ「便利なのか」。それは、やはり体験してみないとなんとも言えませんね。もし導入されることがあるなら、MINIディーラーなどでの試乗体験プログラムを導入してくれると、我々ユーザーは嬉しいですよね。そんな日が来ることを期待したいと思います。
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