BMWのハイブリッドシステムは、他と何が違うの？

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つい先日、BMW X5にプラグインハイブリッド「xDrive 40e」が登場しました。大柄なX5にも関わらず、燃費はリッターあたり30kmオーバーとにわかには信じられないような数値で、話題となっています。しかも電気のみで最大31km走行可能ですから、平日通勤などの使用であれば実質ガソリンゼロとなりそうです。と、なにかと話題のプラグインハイブリッドですが、ここではまずその原点とも言えるBMWのハイブリッドモデル「ActiveHybrid」について解説したいと思います。プラグインハイブリッドがラインアップに充実してくるのはまだ先ですしね。

BMWのハイブリッド

都市部だけではなく、長距離運転を見据えたハイブリッド

BMWは環境性能と”駆け抜ける歓び”を両立させる独自のコンセプトとして、「EfficientDynamics（エフィシエント・ダイナミクス）」を掲げています。これは、燃料消費効率の向上と排出ガスの低減を実現しながら、同時に比類なきパフォーマンスを追求するというもので、実にBMWらしいコンセプトと言えますよね。BMWは、この思想のもと内燃機関だけでなく、電気モーターと内燃機関を組み合わせることによる高効率化と低燃費の実現に向け、新時代のパワーユニット開発に取り組んできました。

ただしBMWは低燃費とCO2排出量の低減という点では、既存のハイブリッド車に匹敵する非常に高効率なディーゼルエンジンを持つブランドです。ゆえに都市部での渋滞時など特定の状況にのみ環境に優しいハイブリッドシステムを開発することはあえてせず、都市部だけでなく長距離運転でも燃費上の利点を実現できるハイブリッドシステムを目指しているのが、大きな特徴になっています。このような理由からBMWのハイブリッドモデルには”ActiveHybrid”というネーミングが与えられています。

電気モーター

モーターによるブーストで、駆け抜ける喜びを

現在販売されているモデルは、モーターの出力だけで走行可能なシステムを採用しており、市街地での走行時は可能な限り電力のみで走行します。ちなみに電気モーターは、ブレーキエネルギー回生システムによって蓄えられたエネルギーをリチウムイオンバッテリーから引き出して利用するというもの。

また高速道路での追い越しや上り坂での走行では、電気モーターによるブースト機能によって一時的に追加のパワーを発生させてエンジンをアシストし加速性能を高めることで、ドライバーにあらゆる走行状況で優れた環境性能と”駆け抜ける歓び”を提供しています。

プラグインハイブリッド

今後はプラグインハイブリッドへ

独自の思想を持つBMWのハイブリッドモデルは、2009年にデビューしたActiveHybrid7から始まり、追ってActiveHybridX6が登場。そして2012年に大幅な進化を遂げたハイブリッドシステムを搭載したActiveHybrid5、ActiveHybrid3がデビューしています。2012年以降のハイブリッドモデルには3Lの直6ターボエンジンとシングルモーターを組み合わせたパワーユニットが搭載されており、現在販売されているActiveHybrid7、ActiveHybrid5、ActiveHybrid3ともに同一のパワーユニットになっています。

BMWはEfficientDynamics（エフィシエント・ダイナミクス）のコンセプトのもと、ハイブリッドシステムだけでなく、電気自動車（EV）の開発も積極的に行っています。今後は、これらで培われた最先端の技術を世界中が注目するプラグインハイブリッド（PHV）の開発へ活用していくようで、先日のBMW X5（xDrive 40e）につづいて、2016年中には3モデル…3シリーズ（330e）、2シリーズ（225xe）、7シリーズ（740e）にてプラグインハイブリッドモデルがラインアップされるようです。

※なお2015年9月より販売開始されたマイナーチェンジ後の「3シリーズ」では、アクティブハイブリッド3はラインアップから外れています。おそらく近々プラグインハイブリッド（330e）に置き換わるのでしょう。ちなみに3シリーズではアクティブハイブリッドの代わりに340i（直列6気筒、ガソリンモデル）がラインアップされています。