- 自動車ニュース
- 掲載:2015/7/3 |
今さら聞けない!? イチからわかるプラグインハイブリッド(PHV)
ここ最近、欧州メーカーが積極的に発表しているプラグインハイブリッド(PHV)。日本メーカーでもTOYOTA「プリウス」や三菱「アウトランダー」などラインアップされているものの、我々ユーザーには「なんとなく知ってるけど…」という方も多いのではないでしょうか。特に「ハイブリッドと何が違うの?」、「電気自動車じゃないの?」という疑問はよく耳に致します。そこで本稿では、このPHVをイチから解説いたしますよ。
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プラグインハイブリッド
EV普及はまだまだ遠い!?
PHV車を簡単に説明すると、「電気自動車(以下、EV)とハイブリッド車を足したもの」と言えます。EVは電気だけで走ることができる車でCO2排出がなく、また安価な電気を使用するため環境性能が高いのがメリット。ただ車体価格は「元が取れる」とはいきませんし、インフラもガソリン比較でまだまだ未整備。「充電が切れたら、充電するスタンドが少ない。また充電に時間がかかる」というのが現状です。
将来的にはEV化されていくのは間違いないでしょうけれども、現時点では普及への道のりはまだまだ遠いというところです。ただ一方で、世界的にCO2削減、燃費向上叫ばれる中、各メーカーも悠長なことは言ってられません。そこでクリーンディーゼルやハイブリッドが注目されていますが、ハイブリッドのさらなる進化系として注目されているのがPHVなのです。
性能
ハイブリッドとEVのいいとこどり
PHVを一言で言うと「ハイブリッド車とEVのいいとこどりをしたシステム」。近距離は電気のみを使って走行、充電が切れれば、ハイブリッド車として走行できます。このためドライバーはバッテリー残量を気にする必要がなく、走行することができます。また近距離は一滴もガソリンを使用しないため、燃費※はもちろんCO2排出量も圧倒的に少なくて済みます。
※代表的なPHVの燃費…プリウスPHV(31.6km/L)、アウトランダー(60.8km/L)、BMW7シリーズ(47.6km/L。ただし欧州複合モード)
電気のみで走行できる距離は?
PHVのメリットの1つであるEV走行。近距離なら…といいますが、実際はどれくらい走れるのでしょうか。少し調べてみると、現在販売されているPHVの多くは、電気だけで20-40kmほど走行可能というモデルが多いようです。例えば「プリウスPHV」は26.4km(カタログ値)ですし、最近BMWが発表した新型3シリーズPHV(330e)は最大35kmと公表されています。
多くの人が、1日の走行距離は「20km以下」
20-40kmと聞くと「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんね。ただ国土交通省が調査した「日本における乗用車の1日あたりの走行距離」によると、日本のドライバーの過半数が1日20km以下しか走らないようなのです。これだと毎日の通期やお買い物はEV走行のみで事足りてしまいますよね。
燃費
バッテリー充電コストは2円以下?
ところでPHVやEVのバッテリー充電コストって、どれくらいなんでしょうね? ガソリンよりは安いでしょうけれども…ガソリン車と較べてどれくらい差が出ているのでしょうか。調べてみると、東京電力の深夜料金では、1回充電で「おおよそ40円」が掛かるようです。
つまり40円で25km走行可能、1km走行するのに1.6円というわけです。一方、リッター20kmくらいのハイブリッド車で、レギュラーガソリンが140円/リットルとすると1kmあたり7円。これはかなりの差ですね。1ヶ月の20kmを週5日走れば、月間走行距離は約400km。コストにして月2,160円、年2.6万円の差が生まれます。
減税・補助金
減税や補助金の恩恵も大きい
燃料費以外にもPHVには、減税や補助金を受けられるメリットがあります。例えばプリウスPHVですとCEV補助金*が最大25万円支給され、エコカー減税と自動車グリーン税制などで約20万円の免税が可能。つまり40-50万円の負担軽減となるのです。
※CEV補助金:環境性能に優れた新車を購入し、一年間使用する者に交付される補助金のこと。(詳細:一般社団法人次世代自動車振興センター)
本体価格
費用回収するには、5〜6万キロの走行が必要!?
コスト面で最も気になるのは、車体本体価格でしょう。例えばプリウスですと、ハイブリッドモデルよりPHVが70万円ほど高くなっています。CEV補助金と減税で40万円メリットがあるので、実費では+30万円ということですね。これに燃費を考慮すると、費用回収は約5.5万キロ走行時ということになります。これだとそこまでメリットを感じないという人も多いかも知れません。
欧州メーカーは、PHV価格を低めに設定!?
ここまで見ていくと、現状で販売されているPHVはそこまでメリットがあるとは言えないように思えます。PHVの価格がもう少し下がる必要がありますね。
そしてその兆しは、欧州メーカーにありそうです。実は欧州では、2021年に新しいCO2排出規制が実施されるのですが、これが大変厳しくガソリンモデルでは対応できないと言われています。このため各メーカーはPHV開発を急いでおり、またガソリン車やディーゼル車並の価格を実現したいと考えているのだとか。
BMWのPHVは、ディーゼルよりも低価格という噂も
BMW社を例に取ると、PHVはかなり低価格に設定されるようです。昨日、7月2日に発信されたBMWの2シリーズ アクティブツアラーPHVのプレスリリースでは、価格は225i xDrive(最上位グレード)とほとんど同じ価格になるとしています。つまり、3シリーズなら335i、5シリーズなら535i、MINIならミニクーパーSと価格は変わらないということかもしれません。なお、これはまだ噂レベルですが、BMW初の市販PHVとなる「X5」はディーゼルモデルよりも€2100(約30万円)安く設定されると言われています。
5年後、6年後に向けて、こういったトレンドになるのだとしたら、我々ユーザーには非常に嬉しいですよね。ひとまずはBMW、MINIのプラグインハイブリッドの登場、そして価格に期待したいと思います。
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