目次
- モデル概要
- 先代モデル(E70)との比較
- ボディサイズ
- インテリア
- 試乗インプレッション
- グレードとエンジン(燃費)
- グレードごとの装備差
- デザインライン・Mスポーツとの装備差
- オプションパッケージ
- ボディカラー
- 価格・エコカー減税優遇額
- ギャラリー(動画・写真)
モデル概要
レンジローバー向けの開発車両から生まれたBMW X
90年代、BMW社は当時北米を中心に人気だったSUV市場への進出を検討し始めます。また当時、BMW社は英ローバー社を買収(1994年)、SUVの中のSUVと言われたレンジローバーを手に入れていました。ローバー社は巨額の赤字を生み続け2000年には米フォードに売却されてしまうのですが、BMW社はレンジローバーでSUVのノウハウを吸収したと言われています。
ただX5は質実剛健なクロスカントリーモデルではなく、BMWらしい「駆けぬける喜び」を重視した全く新しいコンセプトのSUVでした。BMW社はX5をして「SAV(Sport Activity Vehicle)」、スポーツ走行も楽しめるSUVと呼び販売を開始します。この斬新なSUVは欧州、北米を中心に大ヒットとなり、BMWは2003年にX3(E83)、そして2009年にX1(E84)を登場させます。特にX5は2013年までに130万台以上が販売されるいたり、今やBMWのトップセールスモデルの1つへと成長しました。
BMW X5 中古車検索(掲載数国内最大級! BMWの中古車が8500台以上)
先代BMW X5(E70)との比較
これまでBMWラインナップでもトップセールに近い販売台数を記録してきたX5。BMW社としても非常に重要なポジションを占めるモデルだけに、3代目のフルモデルチェンジは慎重な市場調査のもとに行われたといいます。そして登場した3代目X5(F15)は、2代目からデザイン的な大変化はほとんどありませんでした。それよりも内容面、エンジンなど機械面での成熟化、そして2代目登場以来、劇的に進化したテクノロジーを惜しげなく搭載したフルモデルチェンジであったと言えるでしょう。
これについて、X5の開発責任者であるニルス氏はこう語っています。
「BMW X5は、すでに完成形に近いモデル。細かく市場調査を行いましたが、ユーザーも大きな変化を望んではいませんでした。そのため我々は、洗礼をテーマに開発に取り組んだのです」
比べるとはっきり理解できる。”洗礼”の意味
パッと見た印象はあまり変化のない新型X5ですが、上の写真をじっくり見てみるとニルス氏のコメントの意味がよくわかります。エクステリアでは一層複雑になったメタルワークのおかげで、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれます。またインテリアも新旧で違いは明らか。Xシリーズの頂点にふさわしいエレガントでゴージャスな仕上がりとなっているのがわかります。なお今回のデザインは、BMWドイツ本社に在籍している日本人デザイナー永島穣二氏が担当しているのも注目です。
一方機械的な成熟…つまりパワートレインはどうでしょう。エンジンバリエーション自体は、先代同様3リッター直列6気筒のガソリン、ディーゼル、そして4.4リッターV8をラインアップしています。そのどれもがパワー、燃費ともに向上していますが、特筆すべきはディーゼル(35d)。下にあるインプレッションを参照いただければと思います、素晴らしい完成度に仕上がっています。
テクノロジー面は言わずもがな。前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキといった安全機能をはじめ、車載の通信モジュールを利用し、乗員の安全と車両の状態を見守るBMW SOSコールやテレサービス、指による文字入力など使い勝手が大きく向上したiDrive等、大きく進化しています。
BMW X5(F15) ボディサイズ
ボディサイズはかなり大きいが…
全長4910mm、全幅1940mm、全高1760mmと、かなり大柄なX5(先代E70比較:全長で+50mm、全幅+5mm、全高-15mm)。このサイズは都市部での利用には「最適」とはいえず、オーナーの駐車環境次第では選びづらいモデルと言えるでしょう。
ライバル車種との比較
X5のライバルとしてよく挙がるのは「レンジローバー・スポーツ」、メルセデスベンツ「Mクラス」、ポルシェ「カイエン」、アウディ「Q7」あたりでしょうか。どれも大型SUVで、X5とボディサイズはほとんど変わりません(Audi Q7が、5mオーバーとかなり大きいですが)。
BMW X5(F15) | レンジローバー スポーツ | メルセデス・ベンツ Mクラス | ポルシェ カイエン | Audi Q7 | |
---|---|---|---|---|---|
全長 | 4,910 | 4,855 | 4,810 | 4,855 | 5,090 |
全幅 | 1,940 | 1,985 | 1,925 | 1,940 | 1,985 |
全高 | 1,760 | 1,800 | 1,795 | 1,710 | 1,740 |
エンジン |
|
V型6気筒 DOHC | V型6気筒 DOHC | V型6気筒 DOHC | V型6気筒 DOHC |
排気量(cc) | 3000〜4400 | 3000〜5000 | 3000〜3500 | 3600 | 3000 |
最高出力(ps) | 258〜450 | 340〜510 | 258〜306 | 300 | 272 |
最大トルク(Nm) | 570〜670 | 450〜625 | 370〜620 | 400 | 400 |
JC08燃費(km/L) | 8.6〜13.8 | 7.3〜8.4 | 12.5 | 7.4 | 6.7〜8.6 |
価格(万円) | 842〜1248 | 821〜1321.4 | 781.7〜848.5 | 859.1〜1720 | 785〜876.6 |
ラゲッジルーム
容量は先代から30L拡大、620L(X3より70Lプラス)となり実用性は、さらにアップしています。もちろんリアシートは40:20:40で分割前倒し可能ですから、最大容量は1870Lにまで拡大できます(先代プラス120L)。なおゴルフバッグは、シートを倒した状態で最大3つまで積載可能です(トノカバー/目隠しカバーを外すと4つも可能)。
BMW X1 | BMW X3 | BMW X4 | BMW X5 | BMW X6 | |
---|---|---|---|---|---|
ラゲージルーム容量(L) | 480〜1350 | 550〜1600 | 500〜1400 | 650〜1870 | 580〜1525 |
BMW X5(F15) インテリア
先代からさらにディティールアップした豪華仕様
上述しましたが、新型となってディティールの質感が大きくアップしています。写真で見比べれば、その違いは歴然。特にインパネ部分が顕著ですが、新型は複数の面を重ねて室内に奥行きを表現する「レイヤリング」という新しい手法を採用、モダンでエレガントな雰囲気を実現しています(上写真参照)。
テクノロジー面では安全装備(前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、レーン・ディパーチャー・ウォーニング*1など)、また渋滞や高速道路の移動を楽にしてくれるアクティブクルーズコントロール*2、指による文字入力に対応した最新型iDriveなどが採用されています。装備全体を見わす限り、BMWの最先端テクノロジーのほとんどをX5では体験できるといえるでしょう(オプション含む)。
- *1:前方の監視を行い車線の逸脱をドライバーに警告する。
- *2:先行車との車間距離を測定し、あらかじめ設定された距離を維持。レーダーを用いた前車接近警告機能とともに、衝突回避・被害軽減ブレーキも搭載されています。ストップ&ゴー機能は停止に至るまで自動的に速度を制御するだけではなく、交通の流れが回復すれば設定された速度まで再び自動的に加速します。
BMW X5(F15) 試乗インプレッション
進化したディーゼルの出来はピカイチ!!
試乗車はX5 xDrive35d。直列6気筒ターボ、ディーゼルエンジンです。各メディアでも大きく進化したと好評のディーゼルですが、実際乗って見て納得しました。まず驚いたのが、静粛性と振動。こちらは「もはやガソリン車と比較する必要もないのでは?」と思うほどスムーズ。ネガな部分は、ほとんどないと思っていいでしょう。
さてフィーリングですが、低回転から強烈なパワーを発揮するのは先代どおりですが、4000rpmからレッドゾーン(5400rpm)まで軽やかに吹け上がってくれます。BMWらしいシャープな操舵感や、高いボディ剛性と相まって、実に気持ちよく走ることが出来ます。このディーゼルらしからぬフィーリングは、昔のディーゼルを知っている人はもちろん、先代X5オーナーも驚くに違いありません。
ちなみに数値面では、新型となって最高出力は245psから258psへ、最大トルクは540Nmから560Nmへとパワーアップしています。なお燃費はJC08で、13.8km/Lと先代より25%程度向上しているというのだから素晴らしいという他ない。
この他特筆すべきポイントとしては、アクティブ・ステアリングの進化。低速時のハンドルの軽さは先代とは明らかに違います。切り返す局面が多いであろうX5には、嬉しい進化の一つといえるでしょう。
BMW X5(F15) グレードとエンジン
ガソリン2種類(直列6気筒、V型8気筒)、ディーゼル(直列6気筒)の3種類が用意されています。それではそれぞれ解説していきましょう。
3リッター直列6気筒 / ガソリン・ディーゼル
最高出力306ps、最大トルク400Nm、燃費10.3km/Lのガソリンエンジン、最高出力258ps、最大トルク560Nm、燃費14km/Lのディーゼルエンジンがラインアップされています。ガソリン車の出力も魅力ですが、エンジンの完成度としては新型ディーゼルの出来が素晴らしく、ガソリンと決めている方も是非試乗だけはしてみて欲しいと思います。
4.4リッターV型8気筒 / ガソリン
最高出力450ps、最大トルク650Nm、燃費8.4km/Lのガソリンエンジンです。強烈なパワーは魅力ですが、価格も大幅にアップ、+250万円で1000万円オーバーとなっています(しかも35d、35iはエコカー減税対象ですが、50iはエコカー減税対象ではありません)。
エンジン | 燃費 | 最高出力 | 最大トルク | 価格 | |
---|---|---|---|---|---|
xDrive 35d | 直列6気筒DOHC ガソリン | 14.0 km/L | 258ps | 560Nm | 842万円〜 |
xDrive 35i | 直列6気筒DOHC ディーゼル | 10.3 km/L | 306ps | 400Nm | 843万円〜 |
xDrive 50i | V型8気筒DOHC ガソリン | 8.6 km/L | 450ps | 650Nm | 1124万円〜 |
BMW X5(F15) グレードごとの装備差
他のシリーズでもそうですが、BMWではグレードごとの装備差はそれほど大きくありません。X5ではxDrive 50iの装備が多少豪華…という程度です。価格差は、あくまでエンジンの差と捉えてよいでしょう。
xDrive 35d | xDrive 35i | xDrive 50i | ||
---|---|---|---|---|
メタリックペイント | ¥93,000 | ¥93,000 | ■ | |
ホイール | 18インチ ダブルスポーク スタイリング446 | ■ | ■ | – |
19インチ Vスポーク スタイリング450 | – | – | ■ | |
|
¥96,000 | ¥96,000 | ■ | |
|
¥207,000 | ¥207,000 | ■ |
BMW X5(F15) スタンダード、xLine、Mスポーツの装備差
グレードでは装備差が少ないX5ですが、デザインライン間では装備の差別化が行われています。ちなみに各デザインラインともにグレードに関係なく一律の価格が設定されています(xLineがスタンダード+23万円、Mスポーツが+36万円)。それぞれ具体的な装備差は以下を参照ください。
エクステリア
SE | スタンダード | xLine | Mスポーツ | ||
---|---|---|---|---|---|
|
– | – | – | ■ | |
ルーフレール | ブラック | ■ | ■ | – | – |
サテンアルミニウム | – | ¥26,000 | ■ | ¥26,000 | |
BMW Individual ハイグロスシャドーライン | – | ¥26,000 | ¥26,000 | ■ | |
サイドウィンドー、フレーム、モールディング | BMW Individual アルミニウムライン | – | ¥77,000 | ■ | ¥77,000 |
BMW Individual ハイグロスシャドーライン | – | ¥77,000 | ¥77,000 | ■ | |
ホイール | 19インチ スタースポーク スタイリング449 | – | – | ■ | – |
19インチ Mダブルスポーク スタイリング467M | – | – | – |
|
|
20インチ Mダブルスポーク スタイリング469M | – | – | – |
|
インテリア
SE | スタンダード | xLine | Mスポーツ | ||
---|---|---|---|---|---|
ステアリングホイール |
|
– | ¥43,000 | ¥43,000 | – |
マルチファンクション・Mスポーツ・レザーステアリング(シフトパドル付) | – | – | – | ■ | |
リアサイド・ウインドーローラー・ブラインド(手動) | – | ¥38,000 | ¥38,000 | ■ | |
シート |
|
– | ¥180,000 |
|
¥41,000 |
|
– | ¥98,000 | ¥98,000 | ¥41,000 | |
|
– | ¥62,000 |
|
■ | |
|
– | ¥56,000 |
|
■ | |
リア・コンフォートシート | – | ¥62,000 | ¥62,000 | ■ | |
BMW Individual アンソラジット・ルーフ・ライニング | – | ¥67,000 | ¥67,000 | ■ | |
インテリアトリム | ダークオキサイド・シルバーマットトリム | ■ | ■ | – | – |
ポプラウッドトリム | – | – |
|
– | |
アルミニウムヘキサゴントリム | – | – | – | ■ | |
アメリカンオークウッドトリム | – | – |
|
– | |
|
– | ¥40,000 * | ¥40,000 * | ■ |
*12V電源ソケット単品販売はなく、ストレージコンパートメントパッケージの購入が必要となります。ストレージコンパートメントパッケージには、パーセルレール、ラゲージエリアネット、ラゲージエリアストラップ、ラゲージラック、サングラスホルダーが付属します。
BMW X5(F15) オプションパッケージ
いくつかのオプションをパッケージ化することで、割安価格で提供されるのがオプションパッケージです。気に入った装備がある場合はこちらを検討してみるのもよいでしょう。X5では「セレクトパッケージ」、「コンフォートパッケージ」、「BMWコネクテッド・ドライブ・プレミアム」という3つのオプションパッケージが用意されています。
パッケージ | 内容 |
---|---|
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リアシートヒーティング | |
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BMW X5(F15) ボディカラー
全11色のカラーバリエーション
ソリッドカラーが2種類、メタリックカラー(+93,000円)が9種類の合計11色が用意されています。下記にシミューレーション画像を付けましたので、参考にしてみてください。なおカーボンブラックはMスポーツのみ選択可能となっていますのでご注意ください。
価格・エコカー減税優遇額
グレード | 本体価格 | エコカー減税 | 自動車税 | 優遇額 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
取得税 | 重量税 | |||||
xDrive 35d | SE | ¥8,420,000 | 約210,400 | 約37,500 | 約38,000 | 約285,900 |
スタンダード | ¥8,650,000 | 約216,200 | 約37,500 | 約38,000 | 約291,700 | |
xLine | ¥9,100,000 | 約227,400 | 約37,500 | 約38,000 | 約302,900 | |
Mスポーツ | ¥9,260,000 | 約231,400 | 約37,500 | 約38,000 | 約306,900 | |
xDrive 35i | スタンダード | ¥8,430,000 | 約84,300 | 約28,200 | 約25,500 | 約138,000 |
xLine | ¥8,880,000 | 約88,800 | 約28,200 | 約25,500 | 約142,500 | |
Mスポーツ | ¥9,040,000 | 約90,400 | 約28,200 | 約25,500 | 約144,100 | |
xDrive 50i | スタンダード | ¥11,240,000 | — | — | — | — |
xLine | ¥12,190,000 | — | — | — | — | |
Mスポーツ | ¥12,430,000 | — | — | — | — |
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