BMWの維持費って、本当に高い? かかる費用を徹底調査!!

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車を所有するとなれば、誰もが気になるのが「維持費」。とりわけ輸入車ともなると「国産に比べて、やたらと高いのでは」という懸念の声も多いところです。BMWの維持費って、実際のところはどうなんだろう？ その疑問を解消すべく、リサーチしてみました。

目次

1. そもそも!? 維持費の内訳
2. 固定費用（税金・保険）
   • BMW減税対象車リスト
3. 変動費用
   • 燃費について
   • 故障について
   • 整備・車検
4. まとめ

維持費の内訳

国産車と何が違う？ 維持費の内訳をしっかりチェック！

ひとくちに維持費と言っても、その中には多くの経費が入り交じっています。国産車も輸入車も全く同じものもあれば、車種によって異なるものも。ひとまず維持費の内訳を理解し「維持費が変わる」とは何を指すのかを理解しましょう。

固定費は車種による差が少ない

まず、維持費は大きく「固定費」と「変動費」の2つに大別することができます。固定費ですが、以下の表を見てもお分かりのとおり、主に税金や保険で形成されています。ここで気になるのが「国産車と輸入車の金額差」ですが、調べてみるとほとんど差はありません（参考：自動車の税金の種類と税額まとめ）。

維持費のまとめ

固定費	自動車取得税（購入、車検時） 重量税（購入、車検時） 自賠責保険料（購入、車検時に支払う） 自動車税（毎年） 任意保険（毎年）
変動費	ガソリン代（ガソリン種別、燃費） 低額の消耗品（オイル、ワイパー、ブレーキパッドなど） 高額の消耗品（バッテリー、タイヤなど） 修理代 12ヶ月点検 車検代

変動費は燃費やメンテナンス代。ここが車種によって異なります

一方の変動費ですが、ガソリン代やメンテナンス費用、メンテナンス費用、修理費用などが主な項目。レギュラーガソリンとハイオクガソリンで値段が異なるのはもちろんですが、その他の内容についても、軽自動車と大型車、そして国産車と輸入車という違いから、かかる費用は大きく異なってきます。

BMWをはじめとする輸入車の維持費については、この変動費に関する項目がポイントとなります。特に気になるのが「減税」、「故障等による修理費用」、「整備・車検にかかる費用」。これらについて、国産車との比較を交えて検証してみました。

減税率（BMW減税対象車リスト）

BMWの多くが減税対象車

自動車排出ガスからの有害物質の排出に最新規制値を設け、認定を受けた低排ガス車に対して減税措置を適用する国土交通省が定めた「低排出ガス車認定制度」。平成27年3月31日まで実施されたエコカー減税に次いで、平成29年までは新しい制度が適用されます。

• 自動車取得税：平成27年4月1日〜平成29年3月31日
• 自動車重量税：平成27年5月1日〜平成29年4月30日

電気自動車（EV）、燃料電池自動車（FCV）、プラグインハイブリッド自動車（PHV）、クリーンディーゼル車、天然ガス自動車については取得税が非課税、従量税が免税。ハイブリッド車を含むガソリン車については、平成32年度燃費基準に基づいて算出された燃費性能の達成度合いによって、免税のパーセンテージが変わってきます。以下、減税対象車および概ねの減税額をリスト化したものです。詳しくは最寄りのディーラーにご質問いただきたいのですが、購入に際してのひとつの目安となれば幸いです。

BMWの減税適用車一覧（2015年6月1日時点）

BMWの燃費

燃費ランキングで見れば、BMWはなかなか優秀

「輸入車の燃費はよくない」と言われますが、実際のところはどうなのでしょう。ここ最近、欧州車は環境性能に特に力を入れています。ラインアップされるエンジンは小排気量でターボを搭載したものが増えてきています（ダウンサイジング）。これによってBMWの燃費は大きく向上しており、BMWのライバルである「メルセデス・ベンツ」や「アウディ」などの欧州勢はもとより、同クラスの国産車と比べても全く遜色が無いレベルになっています。

しかもBMWは単に燃費を追うだけではなく「BMW Efficientdynamics（よりクリーンに。よりパワーを）」、「駆けぬける喜び」を標榜し、走りの楽しさを追求したクルマづくりをしているのが特徴です。燃費が良くて、しかも運転が楽しい。BMWの人気はこういった点にもあるといえるでしょう。

ダウンサイジングで燃費は大きく向上

BMWラインアップの中心であるガソリンモデルも、先代モデルあたりから同クラス国産車と比較して遜色ないものになっています。特に新型では軽量シャーシーの採用や小排気量+ターボ採用（例：2リッター直列4気筒ターボの採用など）により、ガソリン車でもリッター20kmに近いモデルが登場してきています。

いまや販売されるBMWの30%が、クリーンディーゼル

他の欧州メーカー同様、BMW社はクリーンディーゼルエンジンにも力をいれています（欧州ではハイブリッドよりディーゼルが主流）。BMWのディーゼルモデルは当たり前のようにリッター20kmを超えており、しかも軽油ですからハイオク比でリッター20円程安く給油できます。そのため人気は高く、いまやBMW販売モデルの30%がディーゼルとなっているようですよ。

かなりお買い得なBMW製ハイブリッド

我々日本人にもお馴染みのハイブリッドもラインアップされています。例えば3シリーズや5シリーズ、7シリーズに採用されている「アクティブハイブリッド」。ハイブリッドでは後発と言えるBMW、そのためか価格設定が非常に良心的です。例えば3シリーズのアクティブハイブリッドは直列6気筒ガソリンエンジン+モーターという組み合わせですが、同じ3シリーズのツーリングモデルの直列6気筒ガソリンエンジンモデルとほとんど価格が変わりません（ハイブリッド代はほぼなし!?）。BMWではハイブリッドもかなり魅力的な選択肢となるでしょう。

今後はプラグインハイブリッドが主流になる!?

2015年からはプラグインハイブリッド（PHV）モデルも続々とデビューが予定されています。6月時点では、X5（eDrive）や3シリーズ（330e）でもPHVが登場しました。これらはリッター40km/Lオーバー（欧州複合モード）という脅威の性能を実現しています。

話が少しそれてしまいましたが、燃費という面でBMWにネガティブな要素はほとんどないと言っていいでしょう。また今後の新型車は、リッター30、40kmと燃費を気にするレベルを越えて行くと想定できます。

BMWと国産主要車との燃費比較

車種	燃費（JC08モード）	排気量
BMW 1シリーズ	12.6〜16.6km/L	1598〜2979cc
BMW 2シリーズ	12.5〜16.8km/L	1,460〜2,979cc
BMW 3シリーズ	12.2〜16.6km/L	1,997〜2,979cc
BMW 4シリーズ	11.6〜16.4km/L	1,997〜2,979cc
BMW 5シリーズ	8.8〜16.6km/L	1,995〜4,394cc
BMW 6シリーズ	8.8〜12.2km/L	2,979〜4,394cc
BMW 7シリーズ	6.4〜14.2km/L	2,979〜5,972cc
BMW X1	12.0〜14.9km/L	1,995〜1,997cc
BMW X3	12.1〜18.6km/L	1,995〜2,979cc
BMW X4	12.1〜13.7km/L	1,997〜2,979cc
BMW X5	8.6〜14.0km/L	2,979〜4,394cc
BMW Z4	10.0〜13.4km/L	1,997〜2,979cc
レクサス GS	11.6km/L	4.968cc
トヨタ クラウン	11.4km/L	2,499cc
日産 フーガ	8.9〜11.2km/L	2,495〜3,696cc
日産 スカイライン	13.0〜13.6km/L	1,991cc

BMWの故障

もはや都市伝説？ BMW故障多発説

「輸入車は故障しやすい」。そんな話を耳にされた方も、少なくはないでしょう。日本人として日本製品のクオリティに慣れていると、海外製品の故障時についついナイーブな反応をしてしまうもの。また故障した際、国産車と比較するとレスポンスや費用に差が出るのもまた事実。それゆえ、故障に関する事由についつい振り回されがちです。

しかし近年のBMWは組み立て精度の向上もあって、以前に聞かれた故障頻度は大幅に減っています。特に先代モデルあたりから信頼性は飛躍的に向上し、最新のプラットフォームを採用した現行モデルではほとんど心配はいらないでしょう。ただ現行モデルは「電子制御パーツ」が増え、それらに対する不安の声も聞かれますが、3年間の新車保証の適用範囲内ですので、逆に早いうちに不具合が出た方が後々安心できるというもの。最長2年の新車延長保証プログラムも組み込めば、鬼に金棒と言えます。

ドイツ車の信頼性の高さ

「輸入車が壊れやすいのは、日本の高温多湿、渋滞や信号の多さを想定されていないからだ」という話もよく聞きます。ただ、ドイツ車の場合はこれは当てはまりません。というのも、実はドイツも日本と同じような気候で雨が多く、また渋滞など道路環境も大きな違いはありません（速度制限のない高速道路アウトバーン等、日本より車に過酷な道路状況さえあります）。

ドイツ車は輸入車の中でも特に信頼性が高いとされるのは、こういった日本との環境の近さも大きいでしょう。またドイツは伝統的に工業製品へ高いクオリティを求めるお国柄です。ドイツで導入されている工業製品規格（TÜV規格）は日本の規格よりも厳しく、BMWの品質、故障に対してあまり心配する必要はないでしょう。

しっかりしたメンテナンスと安心保証付の認定中古車

BMWディーラーが販売する「認定中古車」。良質な中古車だけを厳選してあるのはもちろん、BMW専門のメカニックがしっかり整備しているのが特徴。しかも、認定中古車には「走行距離無制限の保証」がついていますから、中古車検討者にとってはかなり安心と言えるでしょう。ただし、一般的な中古車店で売られている車両よりも価格はやや高めに設定されていますから、このあたりが検討ポイントとなるでしょう。

整備・車検

輸入車の部品は10-30%ほど割高

国産車に比べ、どうしても割高になる輸入車のメーカー専門部品。基本的な工賃や共通の消耗品（タイヤなど）は国産車と同じなのですが、専用部品は輸送費や関税で国産比で10〜30%ほど高くなってしまいます。この点については、受け入れたうえでの購入検討としましょう。

オーナーの知識アップも重要なポイント

自動車は毎年の法定点検（12ヶ月点検）、2年に一度の車検（初回は3年に1度）があり、消耗品の交換が入ってきます。特にドイツメーカーは完璧主義なところが多く、まだ使える部品でも交換を推奨していることがあります。これはある意味魅力ではあるのですが、整備代を高騰させる要因にもなります。オーナーが知識を身につけ「これはまだ交換しなくていい」などある程度の判断ができるようになるのがベストでしょう。もちろんせっかくのBMW。走りを犠牲にしては本末転倒です。あまりケチケチせずに、BMWらしい走りを楽しめるバランスを重視したいものですね。

ハイブリッドやプラグイン車両は専用知識が必要

4輪駆動システム「BMW xDRIVE」採用モデルやハイブリッドモデル、電気自動車など、標準モデルとは異なるシステムを採用したモデルを選ばれる際は、当然それぞれのモデルに関する専門知識を身につけておかねばなりません。xDRIVE採用モデルは四輪駆動ということもあり、パーツが明らかに多いのです。当然四駆の駆動力は大きな魅力ですが、その能力を引き出すためのコストが存在することをご理解ください。

BMW初の電気自動車 i3に関して、やはり気になるのがバッテリーに関して。同モデルに採用されているのは高性能リチウムイオン・バッテリーで、新車登録日から8年、もしくは走行距離10万キロ以内に交換の必要が生じた場合にはメーカー保証が適用されるとあります。その適用範囲外での交換となると、一部では300万円かかるとも……。購入検討時には、現オーナーの声なども含めさまざまな情報をもとに、ご自身の判断基準を設けられることが最良かと思います。

長期のカーライフをサポート「BMW サービス・インクルーシブ」

3年に2回、5年に3回の法定点検のほか、エンジンオイルやフィルター、スパークプラグなどの交換といった主要メンテナンスを無償で行なってくれる「BMW サービス・インクルーシブ」があります。特に購入予定のBMWと長く付き合っていこうと考えているオーナーには知っておいてもらいたい制度です。詳しくはBMW正規ディーラーにて。

まとめ

いかがでしたでしょうか。BMWの維持費はそこまで高くないようです。輸入車も国産車も維持費の差は、部品代がほとんど。「輸入車の維持費は高い」と言われていたのは故障が多かった時代の話。輸入車も故障が殆どなくなった今「輸入車だから…」というのは、あまり気にする必要はないでしょう。しかも購入後は保証が効きますから、3〜5年は維持費に関する心配はほぼないと言っていいかと思います。

まるでレールの上を走るようなビシッと引き締まった走行フィーリング、官能的なエンジンフィーリング、そして伝統のブランド。国産車+αでこの走る楽しみが存分に味わえるのが、今のBMWです。そう考えれば、BMWを選択することは十分 "あり" 。筆者としてはそう思うのですが、いかがでしょうか。