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第1世代ミニ(R50、R53)の定番トラブルと修理

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第1世代ミニ(R50、R53)の定番トラブルと修理

こんにちは、京都府のMs+Factoryの大橋です。現行ミニは第3世代まで進化しましたが、街中ではまだまだ第1世代のミニ(R50、R53など)が走る姿を見かけますよね。最も古い年式は2002年モデルで、製造から13年も経ったミニが今も元気に走っていることになります。ミニは世代が変わってもデザインは大きくは変わりませんし、他メーカーの車のように古臭く見えることもありません。部品供給が今もしっかりしているのも安心して乗ることができるポイントですね。そのため、古いモデルに愛着を持ち続けるオーナーが多かったり、今あえて第1世代のミニを探して購入したりする人も珍しくありません。第1世代のミニクーパーSはターボではなく、スーパーチャージャーを搭載しており、そこが今のモデルにはない魅力と言う人もいます。ただ、走行距離を重ねて、長く乗り続けるとトラブルが発生することもありますよね。Ms+Factoryにも第1世代ミニの整備での入庫がかなりあるので、今回は第1世代ミニのトラブルシューティングについて紹介させてください。

Ms+factory 大橋 正典さん

Ms+factory

大橋 正典さん

ディーラーのメカニックを経て、2013年にMs+factoryを創業。愛車兼デモカーはR56をベースにしたジオミックのコンプリートカー「G156S(EDITION-G)」。整備の腕に定評があるが、ドレスアップやチューニングも得意。

第1世代ミニのトラブルの原因と修理方法

クーラーと除湿機能が効かない、エアコンのトラブル

最初に紹介するのはエアコンのトラブルです。「暖房は効くけれど、除湿やクーラーが効かないor効きにくい」ということが第1世代のミニでちょこちょこと見受けられます。原因はエアコンのコンプレッサーの故障、もしくはエアコンガスが減っているかのどちらかです。エアコンガスの充填については過去のコラムで紹介しているので割愛し、今回はコンプレッサーのトラブルについて解説しますね。コンプレッサーのトラブルの場合、内部を修理することはできず、コンプレッサーごとの交換になります。純正品だと11万円ほど、手頃な価格のOEM品で修理することもできます(価格はお問い合わせください)。コンプレッサーを在庫しているショップは少ないでしょうから、部品を取り寄せて後日修理になるでしょう。真夏以外ならコンプレッサーが壊れていても、日常の使用には問題ありません(除湿機能も使えませんが…)。ですから、クーラーが必要な夏前にクーラーがちゃんと機能するのかのチェックをオススメします。クーラーの効きが悪いくらいならエアコンガスの充填で直りますが、こちらは作業に余裕があればその日に整備できますよ。

第1世代ミニ(R50、R53)のエアコン修理

クーラーと除湿は使えないのに、なぜ暖房は使えるの?

コンプレッサーのトラブルやエアコンガスが減っていることで、なぜ暖房は使えるのにクーラーと除湿機能が使えなくなるのかを説明しておきましょう。車のエアコンは暖房を使用する場合はエンジンで発生した熱を利用して空気を暖めるのですが、クーラーと除湿機能ではエアコンガス(冷媒)とコンプレッサーを使用します。車用のエアコンでどうやって室内の空気を冷やすのか、その原理を理解していただかないと次の説明ができないので、その仕組みを説明させてください。クーラーや除湿のために取り込んだ空気を冷やす際にはコンプレッサーで圧縮されたエアコンガス(冷媒)が重要な役割を果たします。エアコンガスは圧縮されると液化し蓄えた熱を放出、再び気体に戻る際に周囲の熱を奪い室内の空気が冷やされます。このサイクルを繰り返して、室内の気温を下げるのが車や家庭用のエアコンに共通した仕組みです。イメージしやすいのは注射の際に殺菌のために腕に塗るアルコールでしょうか。アルコールが蒸発する際に腕がヒンヤリしますよね。それがクーラーと同じ原理です。気化して室内の熱を奪ったエアコンガスはエンジン前部のコンデンサーという場所で再び冷やされ液化、その際に取り込んだ熱が車外に放出される仕組みになっています。エアコンガスが減ってしまったり、コンプレッサーで圧縮できなくなったりすると、クーラーや除湿機能が使えなくなるのはこういった仕組みです。

除湿とクーラーは同じ仕組みで機能している

次に除湿機能でもコンプレッサーやエアコンガスが必要な理由は、除湿の際も取り込んだ空気を冷やす行程があるからです。空気中の湿気を奪うには一度その空気を冷やしてやる必要があります。空気は気温が高いほどたくさん水分を蓄えることができるのですが、気温を下げると水分を保持しきれなくなり、空気中の水分は気体から液体に戻ります。冷えた缶ジュースを思い出してください。机の上に置くと缶の周りが結露しますよね、アレが除湿の仕組みです。空気を冷やして水分だけを取り出し、乾燥した空気を室内に戻すんです。ちなみに、除湿機能だけを使う場合に冷たい空気が出てこないのは、エンジンの熱で暖められた空気と除湿で冷やされた空気が設定温度に合わせて混ぜられて出てくるからなんですよ。

ドア回りの定番トラブル

第1世代ミニ(R50、R53)のドアロック修理

サイドミラーが動かなくなる

ドア回りのトラブルも第1世代のミニではよく聞きます。最も多いのはサイドミラーが格納できなくなるトラブルでしょうか。これはサイドミラー内部に設置されたモーターが働かなくなるのが原因です。細かく言えばモーター内部のギアの歯がすり減り空回りしているんです。このギアだけを交換すれば直るので、以前、ギアだけを取り寄せるorオリジナルで製作できないか調べたことがありますが、ヨーロッパ仕様の特殊なモノのようで断念しました。そのため、修理にはドアミラー内部の部品をアッセンブリー(丸ごと)で交換する必要があります。ドアミラー部品は純正なら片側で4万円強(工賃込)、OEM品で良ければもっと手頃な値段で交換することもできますよ。

パワーウインドウが動かなくなる

これも第1世代のミニではよく聞くトラブルですね。パワーウインドウを上下させる機能はドアパネル内部にあるモーターでワイヤーを巻いたり戻したりして作動させています。こちらもモーターが故障することもありますが、ワイヤーの巻き取り装置(レギュレター)が壊れることも多いですね。パワーウインドウの修理はモーターが壊れているのか、レギュレターが壊れているのかによって違いますが部品代、工賃込で約3~4万円になります。

第1世代ミニ(R50、R53)はドア回りのトラブルが多い

ドアロックが働かなくなる

ドアロックがリモコンで開閉しないというトラブルも稀にあります。このトラブルの原因はドアロックアクチュエーターというドアロックのON/OFFを機能させるモーターが壊れることです。左右それぞれのドアにモーターがついており、同時に壊れることはありません。ドアロックアクチュエーターの修理は部品代、工賃込で約3.5万円です。

第1世代ミニのトランスミッション整備

第1世代ミニのクラッチ修理

クラッチ盤があるのはMT車のみ

まずはMT車のクラッチ整備について。最近ではMT車を選ぶ人は少なくなりましたが、第1世代の頃はまだまだMT車を選ぶ人はたくさんいました。そのため、第1世代のミニではMT車のクラッチ盤の交換をする機会が結構あります。クラッチ盤とはエンジンで発生した動力をミッションに伝えたり遮断したりする仕組みです。CVT車、AT車にも似たような機能はありますが、クラッチ盤があるのはMT車のみになります。

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クラッチ盤が消耗したら必ず交換してください

クラッチ盤が消耗してくると、クラッチが重くなる、もしくは深く踏まないとクラッチが切れなくなるなどの症状が出てきます。エンジン回転数は上がるのにスピードが出ない状態はクラッチ盤がかなり消耗してきた症状ですね。動力が上手くミッションに伝わらないためにこのような状態になるのですが、クラッチ盤の消耗度合は乗り方やSTOP&GOの多い都心に住んでいるのか、などで変わります。そのため、何㎞ごとに交換とは言えませんが(10万㎞以上持つ人も珍しくありません)、いずれは交換しなければならない消耗品です。ですから、クラッチ盤の交換はトラブルというより、稀に必要になる整備だと思ってください。クラッチ盤の交換はクラッチ盤や付随する部品代、工賃込みで15万円ほどになります。下記が以前、交換したミニクーパーS(R53)のクラッチ盤になります。クラッチ盤の消耗度合はそれほどでもありませんが、摩耗したクラッチ盤の汚れで内部が真っ黒になっているのがわかりますか? クラッチ整備の際にはこういった汚れも綺麗にして、ミニをお返しします。

ギアオイルの交換も忘れずに

ATFのオイルパン。オイル汚れがわかりますね

MT車、AT車、CVT車のギアオイルの定期的な交換をオススメします

AT車にはクラッチ盤はありませんが、ATF(オートマチックトランスミッションフルード)というギアオイル(正確に言えばオイルではなくフルード=液体ですが…)を一定期間ごとに交換する必要があります。ATF交換についてはCLUB CARSのこちらの記事をご覧ください。ちなみに、MT車やCVT車(第1世代のみに設定されていたATに似た機構のモデル。第2世代以降ではAT車に変更)にもギアオイルは使用されており、ミニに長く乗るのなら定期的に交換するのをオススメします。Ms+FactoryではMT車、AT車、CVT車すべてのギアオイルを在庫していますので、ピットに余裕があればいつでも交換できますよ。

最後に

第1世代ミニでよくあるトラブルをいくつか紹介してみました。トラブル例を紹介すると「こんなに壊れるのか…」と思うかもしれませんが、距離を走った車で発生するトラブル例なので必要以上に恐れる必要はありません。発売から10年以上経ったミニでも部品供給がしっかりしているので修理はできますし、エンジンやボディは非常にタフなのでまだまだ現役で乗ることができます。今のミニにこれからも長く乗っていきたい、という方はいくらでもサポートしますのでお気軽にご相談ください。なお、今回は手元に写真が残っている整備だけを紹介しました。オイル漏れなど他のトラブルでももちろん対応できるので、何かあればいつでもご来店ください。

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