BMW Z1モデル紹介
BMWの2シーターオープン、 Zシリーズの祖
BMWの2シーターオープンカーといえばZシリーズが思い浮かびます。リトラクタブル・ルーフを採用したZ4(E89)が最新モデルとなりますが、そのルーツを遡るとZ1にたどり着きます。BMW Z1はBMW本社ではなく1984年に子会社として設立されたBMWテクニック社(BMW Technik GmBh)で開発されました。この会社は主に技術開発やコンセプトカーの製作を業務としており、Z1の開発は1985年にスタートし、1987年のフランクフルトモーターショーで発表されます。そして2シーターオープンカーブームが起きた1989年に販売開始しますが、1991年には生産終了となり、わずか2年、8000台しか生産されませんでした。しかも日本には正規輸入されておらず、並行輸入車のみが販売された非常にレアなモデルです。
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BMW Z1のスペックについて
3シリーズ(E30)のパワートレインを流用
BMW Z1のボディは全長3921mm×全幅1690mm×全高1227mmというコンパクトな5ナンバーサイズのボディで、伝統的なロングノーズのデザインが特徴です。そして世界的なヒットモデルとなった初代マツダロードスターとほぼ同じ大きさなのです。搭載されるエンジンは3シリーズ(E30)の325iと同じ最高出力170ps、最大トルク222Nmを発生する2.5L直列6気筒SOHCをZ1用に改良し、ミッションはゲドラグ製の5速MTが組み合わされます。ソフトトップの開閉は手動式のため、車両重量は1250kgと軽量です。駆動方式はFR(後輪駆動)を採用し、前後の重量配分は49:51と理想的な数値を実現しています。ウィンカーやワイパー、ヒーターなどのコントロールスイッチは3シリーズ(E30)のパーツが流用されました。しかし、BMW Z1のリアサスペンションにはZアクスルと名づけられたマルチリンク式を採用し3シリーズ(E30)は異なっています。このZ1のリアサスペンションが発展し、セントラルアームサスペンションとして3シリーズ(E36)に採用されています。Z1より後に登場したZ3のリアサスペンションがセミトレーリングアームだったことを考えるとZ1はかなり挑戦したモデルという色合いが強いと言えるでしょう。
BMW Z1の特徴
コペンのような着脱式アウターパネルと上下するドア
BMW Z1はボディの骨格に当たるシャシーはスチールを使用した専用設計を採用しています。一般的には防錆のための亜鉛メッキを施した後に、鋼板を溶接して組み立てるのですが、Z1は全く逆の行程で製造されています。それはボディ構造こそスチールを使用したモノコックなのですが、フロア部分には別の樹脂で製作して接着しているからです。その通常とは逆の行程で製造されたシャシーはボディパネルが無くても、パワートレインなどを搭載すれば走行可能というユニークなものです。その特徴的なZ1のシャシーにすべてFRP製のアウターパネルが装着されます。脱着可能なボディ外装パネルは使用される部位によって3種類の樹脂素材が使い分けられています。側面パネルとドアはゼネラル・エレクトリック製の熱可塑性プラスチックのゼノイを採用。そしてボンネットとトランクなどはゼガー+ホフマン社製のGPRが採用されていました。全て取り外すのに30分で済んだといわれています。なかでもZ1の最大の特徴といえるのがドアです。クラシックなロードスターが採用していた脱着式の金属製や布製のドアをモチーフとして、Z1のドアはボディ内部に垂直に引き込まれる引き込み式ドアを採用しています。乗車するときはこのドアを下げて乗り込みますが、Z1はドアを上げても、下げても走行可能です。特に下げた状態で走行すると、まるでオートバイのように風を感じて走行することができ、一般的なオープンカーとは全く異なるフィーリングを味わうことができるのです。これだけ特徴的なZ1は1日の生産台数は6台~10台がやっとというモデルでした。
BMWの歴史の中でのZ1の位置づけ
ディスチャージヘッドランプをはじめ様々な特許技術を生み出した
BMW Z1の生産期間はわずか2年と短かったため、セールスとして失敗に思えますが、実はそうではありません。Z1は先ほど紹介しました、リアサスペンションのZアクスルをはじめ、ディスチャージランプ、格納式ロールバーそしてアンダートレー型床構造など様々な特許技術を生み出すことに貢献しています。そう考えるとZ1は市販された次世代技術を搭載したスタディモデルという側面をもっていたと言えるでしょう。
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