- BMW 購入ガイド
- 掲載:2016/2/2 |
現行BMWとライバル車を徹底比較(BMW7シリーズvsメルセデス・ベンツSクラス・アウディA8・ジャガーXJ)
はじめに
7シリーズのライバルは各メーカーのフラッグシップモデル
BMW7シリーズは1977年に登場した初代モデルから、常にBMWのフラッグシップモデルとして革新的な技術を搭載してきたラグジュアリーセダンです。2015年10月より日本に導入された6代目7シリーズ(G11/G12)も様々な最新技術が搭載されています。現行型7シリーズはスタンダードボディ(G11)とロングボディ(G12)の2つのボディを用意しています。搭載されている先進技術としてまず紹介したいのが、カーボン・ファイバー強化樹脂(CFRP)を随所に採用し、大幅なボディの軽量化と剛性アップを両立させたボディ構造の「カーボン・コア」です。そして、LEDヘッドライトに比べて2倍の照射距離を実現した「BMWレーザーライト」、ドライバーの手の動きを認識して、カーナビなどを操作出来る「ジェスチャーコントロール」。そしてリモコンの遠隔操作で、車外からクルマの駐車を行うことのできる「リモート・コントロール・パーキング」などラグジュアリーセダンに相応しい先進装備が充実しています。
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そんなBMW7シリーズ(G11/G12)のライバル車としてまず挙げたいのが、メルセデス・ベンツSクラスです。Sクラスも7シリーズと同様にスタンダードとロングホイールベースを用意しています。エンジン種類が豊富で、ガソリンエンジンに加えて、PHEVそしてディーゼルハイブリッドを用意するなどパワーユニットが豊富です。そしてアウディA8もライバル車と言えるでしょう。アウディA8も7シリーズ同様に2種類のボディを設定し、駆動方式にアウディ独自のクワトロと呼ばれる4WDシステムを採用しているのが特徴です。そしてライバルとしてもう1台、ジャガーXJです。ジャガーXJもスタンダードとロング2つのボディを用意しています。軽量化と剛性アップを目指して溶接した継ぎ目のないオールアルミニウムボディを採用し、これまでの高級車では考えられなかった2L直列4気筒ターボを搭載するなどダウンサイジングを進めているのが特徴です。4モデルともに各自動車メーカーの最新技術が凝縮したラグジュアリーセダンですが、それでは7シリーズとライバル車の詳細を見てみましょう。
モデル概要
(写真左上:BMW7シリーズ 写真右上:メルセデス・ベンツSクラス 写真左下:アウディA8 写真右下:ジャガーXJ)
ボディにアルミ素材だけでなくカーボンを採用し軽量化と剛性アップを図る
2015年から日本国内に導入された現行型7シリーズ(G11/12)は、6代目となる7シリーズです。現在のところ、エンジンは2種類のターボエンジンのみで、先代7シリーズ(F01/02)に設定されていたハイブリッド車はありません。しかし、2016年中に、最長40kmまでEV走行が可能なプラグインハイブリッドモデルが追加されることはすでにアナウンスされています。グレードは740iと750iでそれぞれにショートボディとロングボディ、スタンダードとMスポーツを用意しています。駆動方式はFR(後輪駆動)のみとなっています。2015年10月に導入されたばかりですが、2016年1月には740iと740Liに標準装備されていました「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」を非装着とすることで、車両本体価格を20万円引き下げて魅力的な価格設定としています。エグゼクティブ・ドライブ・プロとはステレオ・カメラによって路面の凹凸を検知し、サスペンションを適切に調整する技術のことです。
一方のメルセデス・ベンツSクラスは2013年8月に日本導入されました。最新の監視システムレーダーセーフティパッケージや、追従運転をサポートするディストロニック・プラスによって部分自動運転を実現させています。また、日本初となるディーゼルハイブリッドをはじめ、3つのハイブリッドシステムを設定しています。そしてアウディA8は2010年12月に日本に導入されました。以前はハイブリッド車も設定されていましたが、現在はガソリンエンジンのみとなっています。スポーティに仕上げられたボディはマトリックスLEDヘッドライトという個性的なデザインを採用しています。最後はジャガーXJです。4代目となる現行型ジャガーXJは2010年5月と今回の4モデルの中では最も古いモデルです。しかし、ボディへのアルミニウムの使用を早くから取り組んでおり、オールアルミ製のボディは先代から採用するなど、新しいマテリアルに対して一日の長があります。その結果、4モデル中で唯一2L直列4気筒ターボを搭載することで、その軽量化と高い走行性能の両立をアピールしています。4モデル中でBMW7シリーズが最も新しいということもあり、革新的な技術という面では一歩リードしていると言えます。
ボディサイズ
BMW740i(8AT) | メルセデス・ベンツS400h(7AT) | アウディA8 3.0TFSI クワトロ(8AT) | ジャガーXJ 3.0ラグジュアリー(8AT) | |
---|---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 5110×1900×1480 | 5120×1900×1495 | 5145×1950×1465 | 5135×1900×1455 |
ホイールベース(mm) | 3,070 | 3,035 | 2,990 | 3,030 |
車両重量(kg) | 1,880 | 2,010 | 1,930 | 1,890 |
トランク容量(L) | 515 | 510 | 520 | 520 |
発売年月 | 2015年10月 | 2013年10月 | 2010年12月 | 2010年5月 |
新車価格 | 1,197万円 | 1,112万円 | 1,129万円 | 1,100万円 |
ロングホイールベースを採用することで広い室内空間と高い走行性能を実現
続いてはBMW7シリーズ(G11/12)とライバル車たちのボディサイズを比較してみましょう。ここでは全車スタンダードボディで比較しています。まずは7シリーズ(740i)ですが、全長5110mm×全幅1900mm×全高1480mmで、ホイールベースは3070mmです。メルセデス・ベンツSクラス(S400h)は、全長5120mm×全幅1900mm×全高1495mm。ホイールベースは3035mmと7シリーズと比べるとほぼボディサイズは同じですが、7シリーズの長いホイールベースが室内空間の広さに有効といえるでしょう。そしてアウディA8(3.0TFSIクワトロ)は、全長5145mm×全幅1950mm×全高1465mmでホイールベースは2990mmと全幅は7シリーズより大きいですが、ホイールベースは最も短くなっています。最後はジャガーXJ(ラグジュアリー3.0)ですが、こちらは全長5135mm×全幅1900mm×全高1455mmで、ホイールベースは3030mmです。ジャガーXEは他の3台に比べると全高が低いので、スポーティな印象が強いです。こうして4台を比べてみると、ボディサイズはほぼ同じですが、ホイールベースはBMW7シリーズが最も長くなっています。これが室内空間の確保に効果があるだけでなく、BMW伝統のロングホイールベース、ショートオーバーハングのスタイルが新型7シリーズにも継承されているだけでなく、高い走行性能に不可欠な理想的な前後の重量バランスも実現しています。
エンジン
BMW740i(8AT) | メルセデス・ベンツS400h(7AT) | アウディA8 3.0TFSI クワトロ(8AT) | ジャガーXJ 3.0ラグジュアリー(8AT) | |
---|---|---|---|---|
エンジン種類 | 直列6気筒DOHCターボ | V型6気筒DOHC | V型6気筒DOHCスーパーチャージャー | V型6気筒DOHCスーパーチャージャー |
総排気量(cc) | 2,997 | 3,497 | 2,994 | 2,994 |
最高出力(kW(ps)/rpm) | 240(326)/5,500 | 225(306)/6,500 | 228(310)/5,500~6,500 | 250(340)/6,500 |
最大トルク(Nm/rpm) | 450/380〜5,000 | 370/3,500〜5,250 | 440/2,900〜4,500 | 450/3,500 |
JC08モード燃費(km/L) | 12.2 | 15.4 | 12.5 | 7.6 |
駆動方式 | FR(後輪駆動) | FR(後輪駆動) | 4WD | FR(後輪駆動) |
タイヤサイズ | 245/50R18 | 245/50R18 | 255/45R19 | F:245/45R19 R:275/40R19 |
現在のところパワーユニットは2種類だが、年内にプラグインハイブリッドを追加
それでは搭載されているエンジンについて比較してみましょう。2016年中に7シリーズ(G11/G12)には2L直列4気筒ターボを搭載するプラグインハイブリッド車が追加される予定ですが、現在のとこ2種類のガソリンエンジンを用意しています。740i(740Li)に搭載されるのは最高出力240kW(326ps)を発生する3L直列6気筒ターボエンジンです。そして750i(750Li)に搭載されるのは最高出力330kW(450ps)を発生する4.4LV型8気筒ツインターボエンジンです。両エンジンに組み合わされるミッションは8速ATとなります。3L直列6気筒ターボエンジンはエンジン内部の部品をはじめ、オイルパンなどにアルミニウムを採用し軽量化を実現した新世代直列6気筒エンジンで、JC08モード燃費は12.2km/Lを実現しています。メルセデス・ベンツSクラスは6LV型12気筒ツインターボを筆頭に、2.2L直列4気筒ディーゼルターボ+電気モーターのハイブリッドまで3種類のガソリンエンジンと3種類のハイブリッドシステムを用意しています。アウディは3LV型6気筒+スーパーチャージャー、4LV型8気筒ツインターボ。そしてW型12気筒DOHCという個性的なエンジンラインナップとなっています。最後にジャガーXJは2L直列4気筒ターボをはじめ、3LV型6気筒+スーパーチャージャーそして5LV型8気筒+スーパーチャージャーと幅広いラインナップです。一見、Sクラスのラインナップの豊富さに目を奪われがちですが、Sクラスが12グレードあるのに対して、7シリーズは2グレードしかありません。追加予定のプラグインハイブリッドが登場することで、注目度は大きく変わるでしょう。
エクステリア
フラッグシップらしい存在感と美しさの調和
続いては、エクステリアデザインの違いはどうでしょうか。現行型7シリーズ(G11/G12)は、ショートオーバーハング(前後のタイヤ外側からボディ先端までの距離が短いこと)+ロングホイールベースというBMWの伝統的なセダンスタイルを継承しながら、躍動的なプロポーションとボディの起伏そして曲線が生み出すエレガントなシルエットが特徴です。空気抵抗に考慮したアクティブ・エア・ストリームを採用したキドニーグリルからボンネットに掛けてのラインによって伸びやかなボディラインを強調しています。サイドビューでは緩やかなカーブを描くルーフラインは優雅さを、そしてフロントライトからリアランプまで伸びる力強いショルダーラインによって生まれる陰影によって力強さを表現しています。このショルダーラインによってロングホイールベースがより主張されています。さらにBMWとして初めてアルミニウム製のトランク・リッドを採用したリアスタイルはBMW独自のデザイン要素であるL字型のリアランプによってよりワイドで存在感を主張しています。
一方のメルセデス・ベンツSクラスは大きなグリルを配したフロントビューで威厳を示しつつ、クーペのような流麗なスタイルで先進性と躍動感を両立させたデザインとなっています。そしてアウディA8はまるで金属から削り出されたような塊感と、必要不可欠なものは削ぎ落とされたシンプルなスタイリッシュなスタイリングが特徴です。最もスポーティなイメージが強いのがジャガーXJです。低く構えたフロントマスクはジャガー独自のアイデンティティの獲物を狙う動物のようなまなざしです。そして、低く長いルーフラインはトランクと一体化しているようにも見え、まるでクーペと見間違えるほどの美しさです。フラッグシップセダンとしての美しさと威厳の両立を求めた場合、ルーフラインによって美しさを表現しキドニーグリルを配したフロントマスクとサイドに採用したショルダーラインによって存在感を演出した7シリーズが最も調和が取れたエクステリアとなっています。
インテリア
(写真左上:BMW7シリーズ 写真右上:メルセデス・ベンツSクラス 写真左下:アウディA8 写真右下:ジャガーXJ)
最高の素材と最新鋭の機能が融合した快適な室内空間
今度はインテリアの違いです。現行型7シリーズ(G11/G12)はどのシートに座ってもモダンで、ラグジュアリーな雰囲気の中で心地良い快適を感じられます。ドライバー志向でデザインされたコクピットはドライバーが運転に集中できるように新しいテクノロジーが満載です。手の動きだけで、特定の機能操作ができるBMWジェスチャーコントロールをはじめ、音声入力システムのスピーチコントロール。そしてタッチパネル機能のついたiDriveナビジェーションシステム。さらにフロントシートにはマッサージ機能が標準装備されるなど運転席のデザインだけでなく、ドライバーの負担軽減に配慮しています。そして室内を取り囲むインテリア・トリムとその上下に照らし出されるアンビエント・ライトが水平ラインを強調するとともにインテリア全体の一体感を演出しています。
メルセデス・ベンツSクラスはインパネなど情報表示するパネルはすべて液晶を採用し先進性を実現し、細部に到るまで贅沢に使用した励行品質のレザーやウッド素材で豪華さを演出したエクスクルーシブな室内空間を実現しています。そしてアウディA8は最も未来的なデザインを採用し、革新的なテクノロジーによってドライブの楽しみをもたらすと同時に究極の快適性を両立させています。一方のジャガーXJはエアコンの吹き出し口に円型を採用するなど、キャビンはスポーティな雰囲気が漂います。インテリアに使用される木材や本革は選び抜かれたこだわりの素材ばかりで、その素材を加工した職人技が息づいています。豪華さと先進性の融合という点ではBMWジェスチャーコントロールなど新しいユーザーインターフェイスを採用しているBMW7シリーズが一歩リードしているのは間違いありません。
価格
BMW7シリーズだけが全モデル1000万円台で購入できる
最後にラグジュアリーセダン4モデルの価格を比べていきましょう。現行型7シリーズ(G11/G12)は740iの1197万円から750Li Mスポーツの1701万円。メルセデス・ベンツSクラスはS300hの998万円からAMG S65ロングの3264万円。アウディA8は3.0TFSIクワトロの1129万円からA8L W12クワトロの2240万円。ジャガーXJは2.0ラグジュアリーの977万円からロングホイールベースオートバイオグラフィーの2016万円となっています。メルセデス・ベンツSクラスとジャガーXJが1000万円を切るモデルを用意していますが、7シリーズだけが、全て1000万円台で購入可能となっています。快適装備が充実し、走行性能に磨きを掛けた上級モデルの750Li Mスポーツでも2000万円以下というのはほかのモデルと比べると戦略的な価格になっています。
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