
はじめに
BMWブランドのフラッグシップセダンといえば7シリーズでしょう。フラッグシップセダンというと、多くの輸入車メーカーでは、ショーファードリブン(運転手が運転し、オーナーは後席に乗る)という性格が強くなる中、BMW7シリーズは1977年に登場した初代モデルからオーナー自らハンドルを握るクルマ(オーナードリブン)という特徴は一貫して変わっていません。2015年に6代目となる現行型7シリーズ(G11/G12)が登場しましたが、今回は21世紀に入って最初に登場した4代目の先々代7シリーズ(E65/E66)の中古車の現状について触れてみたいと思います。どうして、今この4代目(E65/E66)にフォーカスを当てるのかというと、常に7シリーズはその時代の最先端の技術を搭載したモデルですが、この4代目(E65/E66)はその後のフラッグシップセダンのマイルストーンとなったモデルだからです。スタンダードボディの全長が5mを超えたのもこの4代目(E65/E66)からですし、パワーと低燃費を両立させるバルブトロニックの採用、そして革新的な操作系のインターフェイスなど最新の7シリーズ(G11/G12)にも多く使用されている技術の多くを初めて搭載しました。新車当時1000万円クラスの4代目7シリーズ(E65/E66)の最新の中古車事情を見て行きましょう。
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BMW 7シリーズ(E65/E66)のモデル変遷

ボディサイズが大幅に拡大され、余裕のある居住空間に
4代目7シリーズ(E65/E66)は2001年に10月に日本に導入されました。3代目7シリーズ(E38)と比べてボディ(735i)は全長5030mm(+45mm)×全幅1900mm(+40mm)×全高1470mm(+35mm)と拡大されました。そしてホイールベースは2990mm(+60)mm延長されています。また、ロングボディは全長5170mm(+45mm)×全幅1900mm(+40mm)×全高1490mm(+65mm)へと拡大、ホイールベースは3130mm(+60)mm延長されています。ボディサイズの拡大によって、余裕のある室内空間が実現されました。しかし、一般的にはボディの拡大は重量増に繋がります。4代目7シリーズ(E65/E66)では重量を抑えるためにボディにアルミニウムを多用することでその問題を解決しました。その他、現在では全てのエンジンに採用されているバルブトロニックや合計10個のエアバッグ、操縦安定性を確保するためのアクティブリアサスペンション、ダイナミックドライブなどの新技術も採用しています。そして、オーディオやナビなどの操作を一つのダイヤルで行う、iドライブが初めて採用されたのもこの4代目7シリーズ(E65/E66)からでした。
4種類のV型8気筒エンジンとV型12気筒エンジンを設定
2001年のデビュー当初、4代目7シリーズ(E65/E66)に搭載されていたエンジンは、最高出力200kW(272ps)を発生する3.6LV型8気筒DOHCをはじめ、最高出力245kW(333ps)を発生する4.4LV型8気筒DOHCの2種類でした。その後、760iLに搭載する最高出力327kW(445ps)を発生する6L V型12気筒DOHCエンジンが追加されます。3つのエンジンともミッションは6速ATが組み合わされました。そして2005年のマイナーチェンジでV型8気筒エンジンが刷新されます。これまでの3.6Lと4.4Lから最高出力225kW(306ps)を発生する4L V型8気筒DOHCと最高出力270kW(367ps)を発生する4.8LV型8気筒DOHCに変更されました。エンジン以外では、2002年2月に一部改良でロングホイールベース車の745Liにアクティブリアサスペンションとダイナミックドライブを標準装備としました。そして2003年の一部改良ではエアコンにフロントガラスの曇りを検知するセンサーを追加すると共に、iドライブの操作性を向上させています。
BMW7シリーズ(E65/E66型)ボディサイズ・車両重量
グレード名 | 生産期間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|---|
735i | 2001年10月〜2003年10月 | 5,030mm | 1,900mm | 1,470mm | 1,900kg |
2003年11月〜2005年4月 | 5,030mm | 1,900mm | 1,470mm | 1,900kg | |
745i | 2001年10月〜2003年10月 | 5,030mm | 1,900mm | 1,470mm | 1,950kg |
2003年11月〜2005年4月 | 5,030mm | 1,900mm | 1,470mm | 1,950kg | |
745Li | 2001年10月〜2003年10月 | 5,170mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,050kg |
2003年11月〜2005年4月 | 5,170mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,050kg | 760Li | 2002年2月〜2003年10月 | 5,170mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,220kg |
2003年11月〜2005年4月 | 5,170mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,220kg | |
2005年5月〜2009年2月 | 5,180mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,220kg | |
740i | 2005年5月〜2009年2月 | 5,040mm | 1,900mm | 1,490mm | 1,960kg | 750i | 2005年5月〜2009年2月 | 5,040mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,040kg | 750Li | 2006年9月〜2008年10月 | 5,180mm | 1,900mm | 1,490mm | 2,140kg |
BMW7シリーズ(E65/E66型)エンジンスペック
グレード名 | 搭載エンジン | 最高出力 | 最大トルク | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|
735i | 3.5LV型8気筒DOHC | 200kW(272ps) | 360Nm(36.7kg-m) | 8.4km/L(10・15) |
3.5LV型8気筒DOHC | 200kW(272ps) | 360Nm(36.7kg-m) | 8.4km/L(10・15) | |
745i | 4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.9km/L(10・15) |
4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.9km/L(10・15) | |
745Li | 4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.6km/L(10・15) |
4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.6km/L(10・15) | 760Li | 6LV型12気筒DOHC | 327kW(445ps) | 600Nm(61.2kg-m) | 6.5km/L(10・15) |
6LV型12気筒DOHC | 327kW(445ps) | 600Nm(61.2kg-m) | 6.5km/L(10・15) | |
6LV型12気筒DOHC | 327kW(445ps) | 600Nm(61.2kg-m) | 6.5km/L(10・15) | 740i | 4LV型8気筒DOHC | 225kW(306ps) | 390Nm(39.8kg-m) | 7.7km/L(10・15) | 750i | 4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.3km/L(10・15) | 750Li | 4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.3km/L(10・15) |
4代目7シリーズには水素とガソリン、2つの燃料を使えるハイドロジェン7を設定

そして2005年5月のマイナーチェンジで、V型8気筒エンジンの変更とともに内外装のデザイン変更が行わされました。エクステリアではキドニーグリルのデザインをはじめ、バンパー、ヘッドライトが変更されています。また、サスペンションのセッティングの見直しを行うことで、操縦安定性をさらに向上させています。そして、2006年11月には当時世界初の量産型水素自動車ハイドルジェン7が100台限定生産で販売されました。760iLをベースとしたハイドロジェン7はガソリンと水素の両方の燃料を使用できるバイフューエルで、水素だけで航続距離は200km、ガソリンとの合計で700km走行可能で、最高速度は229km/hを実現していました。来るべき水素社会をBMWは他のメーカーに先駆けて見出していたのです。4代目7シリーズ(E65/E66)の駆動方式はFR(後輪駆動)のみ。グレードは3.6L V型8気筒エンジンを搭載する735i。そして4L V型8気筒エンジンを搭載する740i、4.4L V型8気筒エンジンを搭載する745i、4.8LV型8気筒エンジンを搭載する750i、6L V型12気筒エンジンを搭載する760Liの5種類です。ロングボディは745Li、750Li 、760Liに設定されています。
4代目BMW 7シリーズ中古車の在庫情報

年式の進んだ前期型は少なく、中古車の主力は2005年式以降
4代目BMW7シリーズ(E65/E66)は2009年に5代目へとフルモデルチェンジを行い、生産終了してから、すでに7年が経過しました。2016年2月現在、4代目7シリーズ(E65/E66)の中古車は約124台流通しています。デビューの2001年から2005年5月のマイナーチェンジ前までの前期型は22台、2005年6月~2009年2月までの後期型が100台と圧倒的に後期型の流通台数が多くなっています。前期型は年式もかなり進んでいますので、中古車で購入するなら流通台数の多い後期型といえるでしょう。後期型に絞ってグレードを見てみると、V型12気筒エンジンを搭載した760Liは全く流通していません。最も多いのが740i、750iそして750Liとなっています。中古車の約半数が740i、4割弱が750iなので、この2モデルに絞るのが良いと思います。

元法人用車両ならメンテナンスは万全
続いて4代目7シリーズ(E65/E66)の中古車の価格帯を見てみると前期型が50万から190万円、後期型が100万から300万円で前期型では平均価格も100万円以下となっており、すでに底値に達しているようです。一方の後期型は200万円以上の物件も10台程度ありますが、100万円台がボリュームゾーンとなっています。4代目7シリーズ(E65/E66)はこのボリュームゾーンから選ぶのがベストと言えるでしょう。続いては走行距離を見てみましょう。2005年式以降で走行距離が最も多いのが5万~7万kmで、これは全年式を通じても最も多いです。続いては4万~5万kmと7万~9万kmが続いています。中には10万km以上の中古車物件も流通していますが、よほど小まめにメンテナンスをされた元法人車でなければ、あまりオススメはできません。法人車というのは、個人が所有していたクルマではなく、企業が所有していた車両のことです。こういった車両の場合走行距離が延びていても、メンテナンスはしっかりされているケースが多いので、こういったクルマは安心度がアップします。ここでまとめてみると、4代目7シリーズ(E65/E66)の中古車は予算が100万円台で2005年のマイナーチェンジ後の後期型。グレードは740iもしくは750iで走行距離は4万から7万kmが狙い目と絞れました。
豪華装備が満載のBMW7シリーズが200万円で手に入る
それでは年式を2005年以降、そしてグレードは740iそして750iに絞って中古車を見てみましょう。まずは740iです。このグレード、年式、走行距離で検索してみると15台まで絞ることができます。その中には数は少ないですが、ディーラー系販売店の物件も見つかります。ボディカラーは白が最も多く、黒とシルバーがほぼ半々となっています。フラッグシップモデルだけに、HDDナビ、本革シート、サンルーフなど豪華装備がほとんどのクルマが装備しているにも関わらず、200万円以下で購入できてしまうのです。続いては750iです。かなり厳しい条件にも関わらずこちらも11台が検索できました。740iに比べるとディーラー物件が多めなのが特徴です。こちらのボディカラーは白と黒が二分していて、それ以外のボディカラーは見当たりません。740i同様にカーナビをはじめ、本革シート、サンルーフといった豪華装備はほぼ全車が標準装備となっています。予算200万円といえば、国産のフラッグシップセダンも狙えるゾーンですが、高い走行性能と豪華装備が充実したBMW7シリーズも十分に手が届いてしまいますし、新車当時の走行性能の高さは色あせてはいないしょう。
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