はじめに
世界的な2シーターオープンカーブームに乗って登場したBMW Z3の後を受け継ぐ形で2003年1月に日本デビューしたのが初代Z4(E85/E86)です。アメリカ人デザイナー、クリス・バングルが手掛けた独創的なデザインは今なお斬新で色褪せない魅力を放ち続けます。FR(後輪駆動)ならではのロングノーズ・ショートデッキのクラシックなクーペスタイル、前後約50:50の重量配分。そして低重心でロングホイールベースなパッケージングが生み出す安定した走りはプレミアムセグメントらしいものです。そんな初代Z4もデビューから10年以上経過し、現在は2代目となる現行Z4(E89 2009年4月~)が中心となりました。そのため、初代Z4は価格的に魅力あふれる中古車が多数流通しています。ここでは最新の中古車事情を見ていきましょう。
BMW Z4 中古車検索(掲載数国内最大級! BMWの中古車が8500台以上)
BMW Z4(E85/E86)のモデル変遷
プレミアム度が高められたオープンスポーツ
BMW Z4(E85/E86)はデビュー時から直列6気筒エンジンのみの展開で、最高出力141kW(192ps)を発生する2.5Lと170kW(231ps)を発生する3Lの2種類がラインナップされていました。ルーフは両車ともソフトトップですが、2.5Lを積む2.5iは手動開閉式、3Lを積む3.0iは電動開閉式となります。電動幌の開閉時間は約10秒。トランスミッションはどちらも5速ATとなります。2003年5月には3.0iに6速シーケンシャルトランスミッションを追加設定。シフト操作はシフトレバーとステアリングに設けられたパドルスイッチで行えます。さらに2003年10月には最高出力125kW(170ps)を発生する2.2L直6エンジンを積んだ2.2iが追加されました。2.2iはソフトトップが手動式でトランスミッションは5速ATに。ランフラットタイヤが標準装備となったことも話題の一つでした。デビュー時は2.2iに備わらなかったボードコンピュータも2004年5月に標準化されます。
BMW Z4(E85型)ボディサイズ・車両重量
グレード名 | 生産期間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|---|
2.2i | 2013年1月~2004年4月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,380kg |
2004年5月~2006年3月 | 4,110m | 1,780mm | 1,285mm | 1,380kg | |
2006年4月~2013年9月 | – | – | – | – | |
2.5i | 2003年1月~2004年4月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,380kg |
2004年5月~2006年3月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,380kg | |
2006年4月~2013年9月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,400kg | |
3.0i | 2003年1月~2004年4月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,400kg |
2004年5月~2006年3月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,400kg | |
2006年4月~2013年9月 | – | – | – | – | 3.0si | 2003年1月~2004年4月 | – | – | – | – |
2004年5月~2006年3月 | – | – | – | – | |
2006年4月~2013年9月 | 4,110mm | 1,780mm | 1,285mm | 1,430kg |
BMW Z4(E85型)エンジンスペック
グレード名 | 搭載エンジン | 最高出力 | 最大トルク | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|
2.2i | 2.2L直列6気筒DOHC | 125kW(170ps) | 210Nm(21.4kg-m) | 9.5km/L(10・15) |
2.2L直列6気筒DOHC | 125kW(170ps) | 210Nm(21.4kg-m) | 9.5km/L(10・15) | |
– | – | – | – | |
2.5i | 2.5L直列6気筒DOHC | 141kW(192ps) | 245Nm(25kg-m) | 9.5km/L(10・15) |
2.5L直列6気筒DOHC | 141kW(192ps) | 245Nm(25kg-m) | 9.5km/L(10・15) | |
2.5L直列6気筒DOHC | 130kW(177ps) | 230Nm(23.5kg-m) | 10.2km/L(10・15) | |
3.0i | 3L直列6気筒DOHC | 170kW(231ps) | 300Nm(30.6kg-m) | 9.3km/L(10・15) |
3L直列6気筒DOHC | 170kW(231ps) | 300Nm(30.6kg-m) | 9.3km/L(10・15) | |
– | – | – | – | 3.0si | 3L直列6気筒DOHC | 195kW(265ps) | 315Nm(32.1kg-m) | 9.3km/L(10・15) |
3L直列6気筒DOHC | 195kW(265ps) | 315Nm(32.1kg-m) | 9.3km/L(10・15) | |
3L直列6気筒DOHC | 195kW(265ps) | 315Nm(32.1kg-m) | 9.3km/L(10・15) |
マイナーチェンジで新型エンジンと6ATを搭載
2006年4月、BMW Z4にマイナーチェンジが施されます。エクステリアデザインに手が加えられたほか、マグネシウム合金をクランクケースに採用した最新型の直列6気筒エンジンを2.5iと3.0siに搭載。そしてトランスミッションは6速ATに変更されました。このマイナーチェンジによりZ4はZ4ロードスターと呼ばれるようになります。そして新たにZ4クーペが登場。クーペは単にZ4ロードスターをクローズドボディにするのではなく、流麗なデザインを与えるために車体後半を専用設計としているのが特徴です。Z4クーペは3L直列6気筒のみの展開で、パドルシフト付きの電子制御6速スポーツATが組み合わされました。このスポーツATはZ4ロードスター3.0siにも搭載されています。さらにこのタイミングでロードスターとクーペに待望のMモデルが追加されています。E46型M3で絶大な支持を得た3Lの高回転型直6エンジンを搭載。最高出力252kW(343ps)、最大トルク365N・m(37.2kg-m)にまで高められたエンジンは0-100 km/h発進加速5.0秒を実現しています。なお、このタイミングで2.2iはラインナップから姿を消しました。2007年2月にはマルチファンクション・スポーツ・レザー・ステアリング・ホイールやウインド・ディフレクターなどが標準装備となるなど、Z4ロードスターとZ4クーペの装備充実が図られています。
BMWZ4 全国の中古車在庫や人気モデルについて
前期型は多くの中古車が車両価格100万円以下に
2016年1月現在、初代Z4ロードスター(E85)の中古車は約180台、Z4クーペ(E86)の中古車は約10台、MロードスターとMクーペの中古車はともに5台流通していました。ご覧のようにロードスター以外は流通量が極めて少ないため、条件に合う中古車が見つかったら即買い。多少条件から外れてもある程度妥協して買うしかない状況です。ちなみにZ4クーペの中古車相場は170万~250万円で平均価格は約203万円でした。走行距離が5万km未満のものは200万円以下で探すのは難しいようです。Mロードスターは車両価格400万円程度、Mクーペも走行5万km未満のものは400万円程度見ておいた方がいいでしょう。走行距離7万km前後のものなら車両価格350万円台、総額400万円以内で買うこともできます。
狙い目は前期型の2.5i
Z4ロードスターは2006年3月までの前期型が狙い目です。ほとんどの中古車が車両価格150万円以下になっており、100万円以下の中古車も60台以上見つかります。ただし100万円以下だと走行5万kmの中古車を探すのは難しいので、どうしても距離が少ないものを見つけたいなら予算を上げることを検討してください。グレード別に見ていくと、前期型2.2iの中古車は約15台。うち10台以上が車両価格100万円以下になっています。前期型2.5iの中古車は約30台ともっとも流通量が多くなっています。走行距離が極端に少なかったりオプションだった電動ソフトトップが備わっていたり、条件がいいものは150万円ほどしますが、ほとんどの中古車は100万円以下で見つかります。10万km近く走っているものでもよければ車両価格70万円以下、総額100万円でお釣りがくる予算で見るけることも可能。「お金はないけれどどうしてもZ4に乗りたい!」という人は検討してみる価値はあるかもしれないですよ。前期型3.0iの中古車は約15台。2.5iと同じようにほとんどが車両価格100万円以下になっています。3.0i SMGの中古車は全国で10台も流通していないため希少性があり、100万円以下で見つけるのは難しくなっています。前期型Z4ロードスターはデビューから10年以上経過していることもあり、SMGを除き色やボディカラーなどによる価格差はほぼなくなっています。そのため中古車相場を気にせず好きなものを選んでください。また前期型は多くの中古車が100万円以下になっている分、距離もある程度走ったものが中心になります。ある程度予算があるなら逆に前期型ではなく距離が少ない後期型を探してみるといいでしょう。
後期型は装備が充実した2007年式以降が狙い目!
その後期型ですが、3度目の車検を過ぎた2007年式と2006年式が探しやすくなっています。2006年式は2.5iが15台ほど流通していて、車両価格は140万~190万円ほど。走行距離は5万km前後が中心です。ボディカラーは人気の黒と白が圧倒的に多くなっています。3.0siの中古車は数台しか見つかりませんでしたが、価格帯は2.5iと同程度でした。装備の充実が図られた2007年式も2006年式と相場は大きく変わりません。走行距離も2006年と同じ5万km前後のものが中心ですが車両価格170万円より上には3万km代のものが増えてきます。ある程度予算があって条件のいいものを見つけたいと考えているのであれば、総額200万円+αの予算で、2007年式以降を探すのが良さそうです。現行型Z4だとまだ総額300万円以上の予算を見ておかないといけないので、これでも十分お得と言えると思いますよ。2007年式以降でも3.0siは2.5iと同程度の価格帯で推移しています。新車価格は150万円以上の差があったので、中古車としてのうまみはこちらのほうが高いと言っても過言ではありません。Z4らしいプレミアムな雰囲気を中古車でも味わいたい人は流通量が少なくても3.0siを探してみてください。E85型Z4ロードスターの中古車を探す際に注目しておきたいポイントのひとつがソフトトップの状態です。耐久性が低いなどの話はほとんど耳にしませんが、万が一、購入後に交換しないといけない事態になるとかなりの費用がかかります。季節を問わず購入前には幌の開け閉めをして違和感がないか確認すると同時に布地やリアガラスの状態もきちんと見ておきましょう。また電装系部品も一通り動かしてみること。プレミアムスポーツが100万円以下で買えるのは大きな魅力ですが、いくら車両価格が安くても万が一トラブルが発生した際のパーツ代は新車と変わりませんからね。価格が安くても保証がついている中古車を探すと安心度が高まるはずです。
- 関連記事
- Related Articles
- BMW Z4の新旧モデル比較 初代E85/86と2代目E89を比較しました
- BMW Z4(E89) 徹底購入ガイド
- BMW Z3(E36/E37/E38) 1996~2003年
- SUPER GT 2014開幕戦での1-2フィニッシュを記念した、「BMW Z4 sDrive 20i GT Spirit」を限定発売
- トヨタと共同開発を行ったBMW Z5がテスト中 2017年に登場か?
- BMW初のアメリカ人チーフデザイナー、クリス・バングル
- 変わらないデザイン、全モデルに採用されているキドニー・グリルとは?
- BMWが前後重量を50:50にこだわるワケとは?
- BMW伝統のロング・ホイールベース&ショート・オーバーハング
- BMWが、FR(後輪駆動)にこだわったクルマづくりをする理由とは
- BMW 全シリーズカタログ
- BMW 中古車検索サービス
- BMW 全シリーズ購入ガイド
- BMWの基礎知識
- BMWニュース
- BMWニューモデル情報
【BMW・ミニへの買い替えをご検討中の方へ】
◆カンタン45秒で一括査定!営業電話ラッシュはありません!!
BMW・ミニへお乗り換えを検討中の方は、一度MOTA車買取で一括査定してみませんか? 面倒だからといって、言われるがまま下取りに出してしまうと損をしているかも!? また、好条件の値引き額を提示されたとしても、実は下取り額も込みで、結局値引き・下取り額ともに大したことなかったなんてこともあります。 MOTA車買取ならしつこい営業電話はなし、高額査定店のみで交渉を進めることができるので、現在お乗りのお車を高値で売却できる先を最小限の手間で見つけられます!
◆MOTA車買取が選ばれる3つの理由!
1.高額査定の買取店と交渉
引越しや車などの一括査定で、申込直後の電話ラッシュにうんざりしたことはありませんか? MOTA車買取なら、高額査定の3社(最大)とやりとりするだけ。 概算査定額を確認後、他に気になる買取店があれば、追加でチョイスすることができます。
2.査定額が出るまでネットで完結
一般的な車一括査定は「実車を見ないとわかりません」ということもしばしば。MOTA車買取なら、申し込んだ翌日18時に概算査定額がWEB上に表示されます。
3.申込み翌日に最大10社以上を一斉比較
最大10社以上の買取店が直接査定してくれるので、高額で買い取ってくれる会社がひと目で分かります。
シェア
あなたにオススメの記事
この記事へのコメント
制作・協力
CLUB CARS 編集部
CLUB CARS編集部です。これから車を購入する人のための入門記事や購入した後、カーライフをもっと楽しめるようカスタムやメンテナンス、洗車などの記事を取材、掲載していきます。ご意見ご感想などございましたら、ページ下部の「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。
CLUB BMW / MINIの更新情報を配信中
いつも「CLUB BMW」、「CLUB MINI」をご覧いただきありがとうございます。Facebook、Twitter、Google+ にて更新情報を常時配信しています。次期モデルなどのスクープは、いち早くソーシャルメディアで情報発信しますので、是非フォローしておいてくださいね。
RSS Feed をご希望の方はこちら(クラブビーエム、クラブミニ RSS)。