はじめに
14年振りに復活した世界一美しいクーペの後継車
BMW6シリーズは1976年に初代モデル(E24)が登場したBMWのラグジュアリークーペです。当時はフラッグシップセダンの7シリーズよりも高額なモデルで、BMWブランドの象徴的なモデルでした。その2ドアクーペのスタイリングは当時「世界一美しいクーペ」と呼ばれ、現在でも愛好家がいるほどです。1989年に初代6シリーズは生産終了し、リトラクタブルヘッドライトを採用した8シリーズにその座を譲りますが、8シリーズの生産終了から約5年後の2003年に2代目の6シリーズ(E63/E64)が登場します。初代6シリーズの生産終了から実に14年振りにBMWを代表するラグジュアリークーペが復活したのです。モデルコードE63はクーペ、E64はカブリオレとなります。初代6シリーズから受け継いだ美しいスタイリング、4人乗りの贅を尽くした室内空間、そしてBMWらしい高い走行性能と、全て兼ね備えたラグジュアリーモデルと言えるでしょう。それでは新車時は1000万円クラスの価格だった2代目6シリーズ(E63/E64)の最新の中古車事情と魅力について紹介しましょう。
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BMW 6シリーズ(E63/E64)の歴史
優雅さをコンセプトにしたBMW6シリーズのエクステリアデザイン
2代目 BMW 6シリーズは(E63/E64)は2003年10月に日本に導入されました。ボディの骨格にあたるプラットフォームはBMW 5シリーズ(E60)のモノを流用し、Aピラーより前のフロント部分やサスペンションなどに軽量なアルミニウムを採用しました。さらにフロントサイドパネルには熱可塑性樹脂を採用するなど大胆な軽量化が行われています。デザインはアメリカ人デザイナー、クリス・バングルの手によるもので、初代の繊細なデザインではなく優雅さを強調したデザインが特徴と言えます。グレードは3L直列6気筒DOHCエンジンを搭載した630iと4.4L V型8気筒DOHCエンジンを搭載した645Ciの2種類を設定。ミッションは630iが6速AT、645Ciが6速ATと素早いシフトチェンジが可能でスポーティさを強調する6速SMGが組み合わされています。2004年2月には4人乗りのオープンカーの6シリーズカブリオレ(E64)が日本に導入されました。遮音性に優れた電動開閉式のソフトトップを採用し、屋根を閉めたときのスタイリングはクーペ同様の美しさを誇っています。ルーフの開閉はセンターコンソールのボタンを押すだけで、約20秒後にはフルオープンカーへと変わります。大人2人が乗ることのできるリアシートがあり、乗車定員は4名です。標準装備されるダコタレーザーのシートには3段階のシートヒーターが装備され、その上ステアリングヒーターも装備していますので、冬でも気軽にオープンにすることができるでしょう。高い空力性能の効果で、街中の走行であれば風の巻き込みは気になりません。さらに後席に簡単に装着できるウィンドウディフレクターを使えば、高速クルージングも快適に行うことができます。6シリーズカブリオレ(E64)は4.4L V型8気筒DOHCエンジンを搭載した645Ciのみでミッションは6速ATが組み合わされます。ボディサイズは6シリーズクーペが全長4830mm×全幅1855mm×全高1375mm、ホイールベースは2780mm。6シリーズカブリオレが全長4820mm×全幅1855mm×全高1375mm、ホイールベースは2780mmとなっています。駆動方式はクーペ、カブリオレともにFR(後輪駆動)のみです。
BMW 6シリーズ(E63/E64)ボディサイズ・車両重量
グレード名 | 生産期間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|---|
630i | 2003年10月〜2005年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,590kg |
2005年10月〜2007年10月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,590kg | |
2007年11月〜2011年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,590kg | |
645Ci | 2003年10月〜2005年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,740kg |
650i | 2005年10月〜2007年10月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,750kg |
2007年11月〜2011年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,750kg | ガブリオレ645Ci | 2004年2月〜2005年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,895kg |
ガブリオレ650i | 2005年10月〜2007年10月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,960kg |
2007年11月〜2011年9月 | 4,830mm | 1,855mm | 1,375mm | 1,960kg |
BMW 6シリーズ(E63/E64)エンジンスペック
グレード名 | 搭載エンジン | 最高出力 | 最大トルク | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|
630i | 3L直列6気筒DOHC | 190kW(258ps) | 300Nm(30.6kg-m) | 8.7km/L(10・15) |
3L直列6気筒DOHC | 190kW(258ps) | 300Nm(30.6kg-m) | 8.8km/L(10・15) | |
3L直列6気筒DOHC | 200kW(272ps) | 315Nm(32.1kg-m) | 9.9km/L(10・15) | |
645Ci | 4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.9km/L(10・15) |
650i | 4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.6km/L(10・15) |
4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.6km/L(10・15) | ガブリオレ645Ci | 4.4LV型8気筒DOHC | 245kW(333ps) | 450Nm(45.9kg-m) | 7.9km/L(10・15) |
ガブリオレ650i | 4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.6km/L(10・15) |
4.8LV型8気筒DOHC | 270kW(367ps) | 490Nm(50kg-m) | 7.6km/L(10・15) |
BMW 6シリーズ(E63/E64)のマイナーチェンジについて
2005年10月に2代目 BMW 6シリーズ(E63/E64)は一部改良を行います。クーペとカブリオレに搭載れていたV型8気筒エンジンが4.4Lから4.8Lの新エンジンに変更されます。最高出力は245kW(333ps)から270kw(367ps)へとパワーアップされます。それを機にグレード名が64Ciから650iへと変更されました。さらに盗難防止のアラームシステムやヘッドライトの照射方向が変わるアダプティブヘッドライトが標準装備されるなど、装備の充実化を行いました。さらに2007年11月にマイナーチェンジを行います。エクステリアではフロントとリアのデザイン変更そしてインテリアでは色や素材の変更に加えてスイッチ類の質感を高めました。また、ミッションはスポーツスイッチを備えるシフト・パドル付き6速スポーツATへ変更されるとともにブレーキ回生システムを改善し、燃費性能を向上させています。また、このタイミングでSMGは廃止されました。そして、630iに搭載されている3L直列6気筒エンジンは最高出力が190kW(258ps)、最大トルク300Nm(30.6kg-m)から最高出力が200kW(272ps)、最大トルク315Nm(32.1kg-m)へとパワーアップされています。そして赤外線を使用し、暗闇の中でも人などを検知するナイトビジョンなどの先進安全装備も採用されています。
2代目 BMW 6シリーズ(E63/E64)は前期、中期、後期の3つに分けることができる
2代目6シリーズ(E63/E64)は2003年~2011年3月まで販売されましたが、そのモデルライフの中で2003年10月(カブリオレは2004年2月)からV型8気筒エンジンが変更される2005年9月までを前期型、2005年10月からマイナーチェンが行われる2007年10月までを中期型、そして2007年11月から生産終了となる2011年9月までを後期型と3つに区分することができます。このことを踏まえて、2代目6シリーズ(E63/E64)の最新中古車事情を見てみましょう。
BMW 6シリーズ(E63/E64)の中古車の在庫情報
BMW 6シリーズカブリオレはクーペの半分しか流通していない
まず、2代目6シリーズ(E63/E64)の中古車の流通台数を見てみましょう。2016年2月現在、6シリーズクーペは約120台、6シリーズカブリオレは50約台流通しています。6シリーズクーペの中古車の中で、2代目6シリーズ(E63)は約58%を占めています。一方の6シリーズカブリオレの中古車の中で2代目6シリーズ(E64)は約54%とどちらも中古車の主力モデルといえます。続いては平均価格の推移を調べてみました。まずは2代目6シリーズクーペ(E63)からです。現在から3カ月前の2015年11月当時の平均価格は228万円でした。その後、一時は237万円まで値上がりしましたが、現在は3カ月前と同じ水準まで下がっています。続いては2代目6シリーズカブリオレ(E64)です。2015年11月は324万円でしたが、上げ下げを繰り返しながら、現在は323万円とほぼ横這いで推移しています。クーペ、カブリオレともに流通台数が多くはないので相場が変動しやすいですが、概ね横這いといえる状況と言えます。これは現状の底値に達していると言えますので、購入するチャンスを迎えています。
BMW 6シリーズ(E63/E64)ではモデル末期の中古車はほとんど流通していない
それはグレード構成を見てみましょう。まずはクーペからです。2代目6シリーズクーペ(E63)で最も流通台数が多いのは650iで約35%を占めています。その次ぎが全年式を通じて発売された630iで約28%、3番目がわずか2年しか設定されていなかった645Ciとなっています。SMG車はほとんど流通しておらず、探すのは困難な状況です。続いてはカブリオレを見てみましょう。2代目6シリーズカブリオレ(E64)は最初の約1年半だけ販売された645Ciと650iの2グレードしかありませんが、645Ciが約40%、650iが約60%となっています。クーペカブリオレともに販売期間の短かった645Ciが多いのが特徴と言えるでしょう。それでは2代目6シリーズ(E63/E64)の中古車の年式を見てみましょう。まずはクーペです。クーペは2004年から2008年までは11台から14台とほぼ同じ割合で流通していますが、モデル末期となった2009年そして2010年は2~3台とガクンと減ってしまいます。デビューした翌年の2004年、V型エンジンが変更された2005年、マイナーチェンジが行われた2007年式の中古車が多いですね。価格帯は2004年から2005年の前期型が160万円付近。2005年から2007年までの中期型が240万円付近。2007年以降の後期型は350万円付近とキレイに3つに分かれています。続いてはカブリオレです。クーペに比べると流通台数は少ないため、いずれの年式も中古車は一桁台となっています。しかし、2004年から2007年まではほぼ同じ台数が流通していますが、2008年以降はほとんど流通していません。中でも最も流通台数が多いのがマイナーチェンジの行われた2007年というのが特徴です。価格帯は2004~2005年の前期型が220万円付近。2005~2007年までの中期型が310万円付近。そして後期型も330万円付近と価格のボリュームゾーンは2つに分かれています。同じ前期型でもクーペは100万円台で購入できますが、カブリオレは200万円台が中心と中古車はカブリオレのほうが高額になっています。
V型8気筒エンジンが変更された中期型が狙い目
それでは走行距離を見てみましょう2代目6シリーズクーペ(E63)の中古車の走行距離で最も多いのは5万~7万kmで約31%、続いて7万~9万kmで約29%となっています。その次になると3万~4万kmと比較的走行距離の少ない中古車が多くなります。一見すると5万kmオーバーだと走行距離が多いと思われるかも知れませんが、すでに生産終了から4年以上が経過しているモデルですから、年式相応の走行距離と言えるでしょう。ボディカラーは圧倒的に白が多く、黒そしてシルバーが続きます。一方の2代目6シリーズカブリオレの走行距離を見てみると、クーペとほぼ同じ分布で、5万~7万kmで約32%、続いて7万~9万kmで約29%、そして3万~4万kmとなっています。クーペでは15万km以上の中古車もありましたが、カブリオレは走行距離が10万kmを超える中古車は見当たりません。カブリオレはセカンドカーとして使用されていることが多かったからでしょう。ここで、2代目6シリーズ(E63/64)の中古車の狙い目を絞ってみますね。価格面での魅力は2004年から2005年の前期型なのですが、登場してからの経年変化を考えるとメンテナンス費用が多額になる可能性があります。やはりV型8気筒エンジンが変わった2005年から2007年までの中期型の650iで、走行距離は7万から9万kmに絞って探してみましょう。
新車時の半額以下になっても6シリーズの魅力は変わらない
まず、2代目6シリーズクーペ(E63)です。年式を2005年から2007年までの中期型の650i。そして、走行距離を7万から9万kmで検索すると、6台がヒットしました。価格帯は169万から320万円ですが、230万から260万円が中心です。ボディカラーは黒が多いですがベージュレザー車や、パノラマルーフ装着車も選ぶことができます。続いては2代目6シリーズカブリオレ(E64)です。こちらも年式を2005~2007年までの中期型の650i。そして、走行距離を7万~9万kmという条件で検索すると2台がヒットしました。価格帯は298万と318万円で、ボディカラーは白です。クーペ、カブリオレともに登録から10年が経過していますが、その堂々とした迫力のあるボディは全く色あせていません。しかも新車時価格の3分の1で手に入るのですから、これは魅力的という言葉以外見当たりません。
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