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ミニクーパーSで起こりがちなクランクプーリーの破損

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第1、第2世代ミニクーパーSで起こるクランクプーリー(バイブレーションダンパー)の破損

こんにちは、福井県福井市のファイブスターの蒔田です。先日のコラムではファイブスターのデモカーを紹介しました。前回はカスタム色が濃いコラムでしたから、今回は整備ネタを紹介しますね。ファイブスターはクラシックミニに始まり、BMW MINIも全世代販売、整備、カスタムを行っています。そうやって日々、ミニの整備を行っていると当然ながら、ミニにありがちなトラブル、特定の世代やグレードのミニに起こりがちなトラブルについて詳しくなってきます。今回紹介するミニの整備は第1世代、第2世代のミニクーパーS(R53、R56)で起こりがちなバイブレーションダンパーのトラブルのお話です。

ファイブスター 蒔田 真裕さん

ファイブスター

蒔田 真裕さん

2000年式ミニメイフェアを新車で購入したのを機にミニの世界にどっぷりと浸かりはじめ、メカニック修行を経て、2005年にファイブスターを創業。クラシックミニ、BMW MINIの販売とカスタムを手掛けている。元パン職人。

第2世代前期まででトラブルが出始めたクランクプーリー

ゴムダンパー採用のMINI純正クランクプーリー

トルクが太いミニクーパーSでこのトラブルが起こりがち

バイブレーションダンパーと言われても車に詳しい人じゃないとピンとこないかもしれません。バイブレーションダンパーとは通常は「クランクプーリー」と言われる部品で、エンジンで発生した動力をファンベルトを介して発電機(オルタネーター)やエンジン冷却用のウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサーなどに伝える重要な部品です。ミニの場合、1本のファンベルトで複数の部品を駆動させており、クランクプーリーが破損したり、ファンベルトが千切れたりすると深刻なトラブルに見舞われてしまいます。ミニクーパーSのクランクプーリーは内側と外側の二重構造となっており、間にアクセルのオンオフで発生する急激なトルク変動からベルト、補器類を守るゴム部品が使用されています。このミニクーパーSの純正クランクプーリーのゴムダンパー部分が長年の使用で劣化し、ゴムが剥離してしまうトラブルが第1世代ミニ(R50、R53)、第2世代前期のミニ(R56)で起こりはじめています。

クランクプーリーの破損で発生する症状とは…

ゴムダンパーが剥離してしまうと、ドライバーにすぐにわかる異常が発生します。どんなことが起こるのか箇条書きで説明すると…

  • エアコンコンプレッサーが停止するためエアコンが効かなくなる
  • 第1世代ミニでは油圧パワステのポンプが駆動せず、ハンドルが重くなる
  • 第2世代ミニは電圧が低下すると電圧不足でパワステが作動しなくなり、ハンドルが重くなる
  • エンジン冷却のためのウォーターポンプが動かなくなり、トラブル発生後まもなく水温警告灯が点灯し、オーバーヒート。冷却水が噴き出す
  • オルタネーターで発電できなくなり、そのまま走行しバッテリーの電圧が低下すると電子制御システム(エンジンチェックランプ、DSC、ABSなど)の各種警告灯が一斉に点灯
  • 上記のようなトラブルが発生します。そのまま走行すると確実にエンジンがオーバーヒートしてしまうので、異変を感じた際はすぐに走行を中止し、エンジンを切ってください。「自宅までだましだまし帰ろう…」なんて考えてはいけません。クランクプーリーだけの交換で済めば39,000円、ファンベルトが5,000円で済みますが(工賃別)、エンジンまでダメージを受けてしまうと高額な修理になってしまいますから。ちなみにクランクプーリーの交換作業は3時間弱で済みますので、部品さえあれば短時間で交換作業ができます。なお、ゴムダンパー採用の純正クランクプーリー以外にも、ゴムダンパーのない軽量クランクプーリー(CRAVEN SPEED製だと約50,000円)もお選びいただけます。基本的に純正クランクプーリーをオススメするようにしていますが、クランクプーリーを軽量化するとエンジンの吹け上がりが良くなるなどチューニング効果もあります。ゴムダンパーはベルト、補器類をトルク変動から守る役割を果たしていますが、軽量クランクプーリーはゴム部分がないため、ゴムの剥離のようなトラブルからは解放されますよ。

    第2世代前期までのミニオーナーは車検時に交換をオススメします

    今回ご紹介したクランクプーリーのトラブルは第1世代ミニ(特にクーパーS)ではよく聞きますが、最近では第2世代前期のミニ(特にクーパーS)でも発生しはじめました。走行距離にもよりますが、新車登録から7~8年経ったミニで、一度もクランクプーリーを交換していないのであれば車検や整備時にあらかじめ交換しておくのをオススメします。

    最後に 北陸のミニオーナーズクラブ、グリッターの紹介

    グリッターでの食事会風景

    以前のコラムでご紹介しましたが、北陸のミニオーナーズクラブ「グリッター」の活動について改めて触れさせてください。寒さが厳しい北陸なので冬はなかなか集まる機会が減りますが、暖かくなりグリッターの活動も盛んになってきましたよ。上の写真はグリッターのメンバーが集まってBBQを開催したときの様子です。ファイブスターはあくまでグリッターをサポートしているだけなのですが、グリッターの輪に加わりたいという方がいらっしゃいましたらお気軽にファイブスターにお問い合わせください。グリッターの皆さんをご紹介させていただきます。

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    旧国道8号線沿い、福井市の南側にあります。高速道路でも最寄りは福井ICもしくは鯖江ICで、電車でお越しの方は福井鉄道福武線の「ハーモニーホール駅」が最寄り駅になります。
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