洗車のプロが語る ミニ洗車アレコレ – 汚れの原因と対策

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本稿のナビゲーター

はじめまして、東京23区を中心に出張洗車サービスを提供しているカーケアジャパンの岡本と申します。「出張洗車サービスってなに？」という方も多いと思うので、簡単にご紹介しますと。契約いただいたお客さまの愛車を、月に2回（もしくは4回）出張洗車させていただくサービスです。お客さんの多くは車好きで、洗車の仕上がりにも厳しい方が多いのですが、当社の洗車サービスはよくお褒めいただいています（おっと、これ以上は宣伝になってしまいますね）。と、そんな私ですが、この度CLUB CARSさんから洗車についてのコラム執筆依頼を受け、担当させていただくことになりました。

長く大事に車と付き合っていくためには、いつまでも愛車を綺麗に維持していきたいですよね。傷だらけだったり、汚れた車だったりすると愛情を持てなくなってしまいますから。そこで、このコラムでは愛車を美しく保つ、プロならではのノウハウ をご紹介させていただきます。洗車に関する基礎知識から、一般の方でも真似ができるちょっとしたテクニックまでを紹介します。ぜひ、ご参考にしていただければと思います。

目次

1. はじめに
2. 注意するべき汚れと、その対策
   1. 鉄粉は粘土がベスト
   2. ハトの糞や虫の死骸はすぐに取り除くべし
3. 汚れ対策に車体カバーは有効か？
4. 洗車でよくある質問
   1. 洗車機は使っていいの？
   2. ワックスは掛けるべき？

はじめに

大気中には、汚れの原因が一杯

今回は初回ですので、まずクルマの汚れの原因についてお話しておきましょう。車が汚れる原因は雨、泥水だけではありません。実は大気中に舞っている埃、金属粉などがバカにならないのです。春の花粉の他に、車を錆びさせる海沿いの潮風や冬場の融雪剤…はたまた年末はあちこちで始まる道路工事の簡易舗装の剥がれや土埃などですね。特に春の花粉や黄砂は、困った経験をされた方が多いのではないでしょうか。

小まめな洗車が何より大切

こういった大気中の汚れは、走っていなくてもクルマを汚していきます。室内保管の方は心配が少ないですが、青空駐車の方の場合は “走っていなくても” 2週に一度程度は洗車をするようにしていただきたいですね。「えー、そんなに？」と思われるかもしれませんが、小まめな洗車をしているクルマとしていないクルマでは3年、4年後の美しさに雲泥の差が出ますよ。

注意するべき汚れと、その対策

鉄粉は注意が必要な汚れ

クルマの汚れの中で、最近注目されているのが "鉄粉（ボディに突き刺さる金属粉）" です。建設現場や線路、鉄工所や造船所の近くでは空気中に細かな金属粉が舞っていて、それが車の塗装に突き刺さってしまうのです。金属粉は水で流してもなかなか取れず、そのまま擦るとボディが傷つくやっかいな汚れ。カー用品店では鉄粉を浮かせて（一部を溶かして）流すシャンプーが売られていますが、当社では使っていません。我々の場合、傷が付きづらく効果も確かな「鉄粉取り粘土」を使っていますね。鉄粉はそのまま放置しておくと酸化して錆び、白いボディではどんどん汚れが目立ってくるので早めに取り除いた方がいいでしょう。

ハトの糞などは、想像以上に塗装を痛めます

車に付着する汚れの中で、見つけたらすぐ落として欲しいのが「ハトの糞」や「虫の死骸」です。こういった酸性の汚れは、塗装を傷めてしまいます。塗装の一番上のクリア層を溶かしますし、コーティングされている車のコーティングの表層さえも溶かしてしまいます。取り方は水で濡らして拭くのが一番ですが、水がなければ、ティッシュペーパーなどでも構いません（スピード優先です）。ゴシゴシ擦らずに拭う（ぬぐう）くらいの気持ちで取りましょう。

汚れ対策に車体カバーは有効か？

車が汚れやすい環境にいる人は、つい車体カバーを使ってみたくなると思います。ただカバーは、風でバタバタしてボディに細かな傷をつけるのでオススメできません。最近は「傷がつきにくい裏起毛のカバー」もありますが…。汚れた車にカバーをかけると起毛にゴミを噛み、それがバタついて傷をつけてしまうこともあります。

洗車でよくある質問

洗車機は使ってもいいの？

当社では、洗車機の使用はオススメしていません。クルマは均一に汚れているわけではありません。洗車機は一律に洗ってしまうので、汚れが落ち切らない場合も多々あります。また洗車機のモップは一昔前に比べて改善しているものの、磨き傷が出来てしまうリスクもあります。クルマを大切にされている方はもちろん、高級車オーナーで洗車機を利用する方はあまり見たことがありません。ぜひ手洗いで丁寧に作業していただきたいですね。

ワックスはかけるべき？

当社のお客さんから「ワックスをかけると、埃を吸着し汚れやすくなるんじゃないの？」という質問を受けることがあります。きちんと拭き上げれば、全く問題ありません（当社は拭き上げやすいよう、水溶性のベタベタしていないものを使用しています）。むしろきちんとワックスを掛ければ、汚れは落ちやすくなるのです。

ちなみに今ではコーティングがあるのでワックスを掛ける人が減っていますが、ワックスで出る艶はガラスコーティング以上のものがあります。ボディをより美しく見せたいなら、ワックスがけがオススメですね。またホイールワックスも、ブレーキダストが多いドイツ車にはオススメです。ワックスをかけているかどうかで、ホイールの汚れの落としやすさが明らかに違ってきます。

次回予告

今回は汚れの原因や汚れ対策についてお話しました。次回からは、実際の洗車作業や洗車のコツなどをご紹介します。お楽しみに！