
目次
- BMW3シリーズクーペ(E92)の歴史
- BMW4シリーズクーペ(F32)の歴史
- BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ ボディ&エクステリアの違い
- BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ インテリアの違い
- BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ エンジンの違い
- BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ グレードと価格の違い
はじめに
名車と呼ばれたBMW2002の系譜を受け継いでいるモデルが、日本国内で最も人気の高いBMW3シリーズです。1975年に登場した初代3シリーズは独立したトランクをもつノッチバックスタイル(キャビンとトランクがハッキリと区別された形)の2ドアクーペのみでした。その後モデルラインナップは拡充され、2005年に導入された5代目3シリーズ(E90)では4ドアセダン(E90)、ツーリング(E91)、2ドアクーペ(E92)、カブリオレ(E93)の4つのモデルがラインナップされました。そして2012年2月に導入された6代目3シリーズ(F30)ではモデルが細分化され、2ドアクーペ(F32)とカブリオレ(F33)そして4ドアクーペ(F36)のグランクーペを加えた3モデルは4シリーズとして独立したモデルとなりました。一方の3シリーズはセダン(F30)、ツーリング(F31)そして5ドアハッチバックのグランツーリスモ(F34)を加えた3モデルとなっています。今回はBMW 2002をルーツとする2ドアクーペである、最新の4シリーズクーペ(F32)と一世代前の5代目3シリーズクーペ(E92)の違いを詳細に比較してみましょう。
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BMW3シリーズクーペ(E92)の歴史
BMW初の直噴+ツインターボエンジンを搭載
5代目BMW3シリーズクーペ(E92)は2006年9月に日本に導入されました。エクステリアデザインは4ドアセダン(E90)同様に日本人デザイナーの永島穣二さんが手掛けています。基本的なプラットフォーム(骨格部分)はセダンをベースとしていますが、ボディパネルはクーペとセダンで共通のものはなく、外装パーツではドアハンドルのみが共通というこだわりようです。最上級グレードの335iにはBMW初となる直噴+ツインターボを採用した3L直列6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載し、スタンダードグレードの320iには2L直列4気筒DOHCエンジンが搭載されています。ミッションは6速ATを基本に320iには6MT車も用意され、駆動方式はFR(後輪駆動)のみでした。BMWの特徴であるキドニー・グリルは4気筒エンジンを搭載した320iでは縦バーが黒、6気筒エンジンを搭載した335iでは縦バーがクロームメッキとさりげない演出がなされています。320iには本革シートなどが標準装備となるハイラインパッケージ、320i、335iには空力性能を向上させるエアロパーツをはじめ走行性能に磨きをかけるMスポーツパッケージを設定しています。そして2008年11月に行われた一部改良で335iのミッションが6ATから7ATへと変更されました。

エクステリアの変更と新グレード325iの追加
2010年5月に5代目BMW3シリーズクーペ(E92)はマイナーチェンジを行います。エクステリアではキドニーグリルがよりワイドになり、エアインテーク(空気の取り入れ口)を拡大した新デザインのフロントバンパーの採用。そしてリアのキャラクターラインの位置や形状を変更しエレガントさが増しています。そして320iに搭載されている2L直列4気筒エンジンは直噴化され、最高出力がこれまでの115kW(156ps)から125kW(179ps)にアップするだけでなく、燃費性能も10・15モードで12.0km/LからJC08モードで14.2km/L(6AT車)に向上しています。そして新たに3L直列6気筒DOHCエンジンを搭載した325iが追加されました。この325iは6速ATのみでMスポーツパッケージが設定されています。
BMW4シリーズクーペ(F32)の歴史
BMW4シリーズはワイド&ローのスタイリングと全車ターボエンジンを採用
BMW4シリーズクーペ(F32)は2013年9月に日本に導入されました。BMWならではのショートオーバーハング、ロングエンジンフード、そして流れるようなルーフラインにより美しさを追求したクーペデザインとなっています。3シリーズクーペ(E92)と比べて、全高は25mm低くなるとともに全幅は45mm拡大され、前後のトレッド(ボディの中心からタイヤの中心までの距離)が大幅に拡大されました。その結果ワイド&ローのスタイルでスポーツ性を強調しています。3シリーズクーペ(E92)同様に前後50:50の理想的な重量バランスに加えて、登場した当時はBMWで最も低い重心位置を実現していました。グレードは異なる最高出力の2L直列4気筒DOHCターボを搭載する420iクーペと428iクーペ。そして3L直列6気筒DOHCターボエンジンを搭載する435iクーペの3種類で、両モデルともミッションは8速ATが組み合わされます。そして4シリーズクーペ(F32)にはスタンダードモデル(420iを除く)のほか、スポーツ、ラグジュアリーのデザインライン。そしてMエアロダイナミクス・パッケージやMスポーツサスペンションなど、BMWのハイパフォーマンスモデルであるMモデルを手掛けるBMW M社が開発した専用パーツを装備するMスポーツを各モデルに設定し、ユーザーの幅広いニーズに応えられるよう担っています。

ドライビング・アシストに加えてアクティブ・クルーズ・コントロールも標準装備に
4シリーズクーペ(F32)はカメラにより前方の監視を行い安全なドライビングに貢献する、前車接近警報、衝突回避・被害軽減ブレーキ、レーンディパーチャーウォーニングの3つの機能が集約された「ドライビング・アシスト」を全車標準装備しています。さらに現在の車速やナビのルート案内など表示する「BMWヘッドアップディスプレイ」。そして車載の通信モジュールを利用して、万が一の事故の場合SOSコールセンターに自動的に繋がるBMWSOSコール。そして車両が自動的に車両のメンテナンスやバッテリー定価といった情報を担当しているBMW正規ディーラーに通知するBMWテレサービスを標準装備しています。さらに2014年11月にはミリ波レーダー・センサーによって前方車両との車間距離を一定に維持しながら加減速を行い、低速時には車両停止まで制御する「アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)」を標準装備することで、より快適にドライブを楽しむことができるようになりました。
BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ ボディ&エクステリアの違い
4シリーズクーペ(F32)はワイド&ローのスタイリングでスポーティさを強調
まず、4シリーズクーペ(F32)と3シリーズクーペ(E92)のボディ&エクステリアを比較してみましょう。4シリーズクーペ(F32)のボディサイズは全長4640mm×全幅1825mm×全高1375mmで、ホイールベースは2810mmとなっています。一方の3シリーズクーペ(E92)は全長4610mm×全幅1780mm×全高1385mmで、ホイールベースは2760mmです。4シリーズクーペ(F32)は3シリーズクーペ(E92)に比べて全長は+30mm、全幅+45mm、全高−10mm。そしてホイールベースは+50mm拡大しました。スタイリングはよりワイド&ローのスポーティを強調していながら、ホイールベースの拡大によってリアシートの居住性を向上させています。さらにワイドになったキドニーグリルや丸型4灯のヘッドライトがスポーティなフロントマスクを形成しています。装着するタイヤは4シリーズクーペ(F32)が225/45R18(428i)に対して3シリーズクーペ(E92)は225/45R17(320i)と4シリーズクーペのほうが1インチ大きくなっています。
現行型420i(F32) | 現行型435i(F32) | 先代320i(E92) | 先代335i(E92) | |
---|---|---|---|---|
全長 | 4,640mm | 4,640mm | 4,610mm | 4,610mm |
全幅 | 1,825mm | 1,825mm | 1,780mm | 1,780mm |
全高 | 1,375mm | 1,375mm | 1,400mm | 1,380mm |
ホイールベース | 2,810mm | 2,810mm | 2,760mm | 2,760mm |
車両重量 | 1,540kg | 1,620kg | 1,490kg | 1,630kg |
トランク容量 | 445L | 445L | 430L | 430L |
BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ インテリアの違い
4シリーズクーペ(F32)はドライバー側に傾いたドライバー重視のコクピット
続いてはインテリアを見てみましょう。4シリーズクーペ(F32)のインテリアは水平基調でより室内が広く感じるようなデザインを採用しています。そしてセンター・コンソールがドライバー側に向けてわずかに角度が付けられているおかげで、全ての重要な操作系はドライバーの手の届く範囲に配置されたドライバー重視のコクピットとなっています。後席はシートと一体化したヘッドレストそしてワイドなデザインのサイドサポートを採用した左右独立式のリアシートによってスポーティな雰囲気が漂っています。一方の3シリーズクーペ(E92)のセンターパネルに8.8インチワイドモニターを設置したインテリアはセンターから両サイドに伸びやかなデザインによって広さを演出しています。リアシートはセンター・コンソールを装備することで、左右が分割されていて2名乗車となります。ホイールベースが2670mmも確保されているので、足元のスペースは十分確保され、頭上のスペースも不満はありません。そしてトランク容量は4シリーズクーペ(F32)が445Lで3シリーズクーペ(E92)430Lとボディサイズを拡大した効果は室内空間だけでなく、トランクルームの拡大にもひと役勝っています。
BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ エンジンの違い
4シリーズクーペ(F33)は全車ターボエンジンを搭載しパワーと燃費を両立
4シリーズクーペ(F32)と3シリーズクーペ(E92)に搭載されているエンジンを見てみましょう。4シリーズクーペ(F32)に搭載されているエンジンは、すべてターボエンジンとなっています。420iクーペに搭載される最高出力135kW(184ps)を発生する2L直列4気筒DOHCターボ。そして同じ2L直列4気筒DOHCターボながら、428iでは最高出力180kW(245ps)を発生と異なる仕様となります。そして435iは最高出力225kW(306ps)を発生する3L直列6気筒DOHCターボが搭載され、全3タイプのエンジンが用意されています。そしてミッションはすべて8速ATとなっています。一方の3シリーズクーペ(E92)はベーシックグレードの320iには最高出力125kW(170ps)を発生する2L直列4気筒DOHCエンジン。そして2010年のマイナーチェンジで追加された325iには最高出力160kW(218ps)を発生する3L直列6気筒DOHCエンジン、335iには最高出力225kW(306ps)を発生する3L直列6気筒DOHCターボと自然吸気エンジンと過給器のターボ付きエンジンが混在しています。ミッションは320iには6MTを用意し、オートマチックミッションはデビュー当時が6速ATでしたが、途中で7速ATに変更されました。燃費性能は同じ3L直列6気筒ターボエンジンで比較すると、3シリーズクーペ(E92)は11.6km/Lでしたが、4シリーズクーペ(F32)では12.7km/Lまで向上しています。
現行型420i(F32) | 現行型435i(F32) | 先代320i(E92) | 先代335i(E92) | |
---|---|---|---|---|
エンジン | 直列4気筒DOHCターボ | 直列6気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHC | 直列6気筒DOHCターボ |
総排気量 | 1,997cc | 2,979cc | 1,995cc | 2,979cc |
最高出力 | 135kw(184ps) | 225kw(306ps) | 125kw(170ps) | 225kw(306ps) |
最大トルク | 270N・m (27.5kg-m) | 400N・m (40.8kg-m) | 210N・m (21.4kg-m) | 400N・m (40.8kg-m) |
タンク容量 | 60L | 60L | 60L | 60L |
JC08モード燃費 | 16.4km/L | 12.7km/L | 14.2km/L | 9.8km/L |
BMW4シリーズクーペと3シリーズクーペ グレードと価格の違い
4シリーズクーペ(F32)は3シリーズクーペ(E92)に比べて約50万円高
最後に、グレードと価格の違いです。3シリーズクーペ(E92)は2006年のデビュー当時は320iと335iの2グレードでしたが、2010年5月のマイナーチェンジで325iを追加し、3グレードとなりました。320iにはハイラインパッケージとMスポーツパッケージ。そして325iと335iはMスポーツパッケージを設定し、生産終了時には7グレードを用意していました。一方の4シリーズクーペ(F32)は420i、428i、435iの3グレードを設定し、スタンダード(420iを除く)、スポーツ、ラグジュアリー、Mスポーツというデザインラインを用意して、全11グレードとなっています。価格は3シリーズクーペ(E92)が468万から753万円に対して、4シリーズクーペ(F32)は517万から803万円と約50万円高となっています。
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