はじめに
高級車の性格も合わせ持つBMWのスーパースポーツ、M3
BMW M3はモータースポーツ関連の研究開発子会社、BMW M社がBMW3シリーズをベースにチューンを施したスポーツモデルです。1985年に登場した初代M3(E30)は、ヨーロッパのツーリングカー選手権でも大活躍した、まさに公道を走るレーシングカーといえるクルマでした。それでいて乗用車としての機能や快適性は犠牲にしていないこともMモデルの魅力で、これは現在も受け継がれています。今回、取り上げる4代目 M3(E90/E92/E93)は2007年に2ドアクーペが国内に導入され、2008年3月にM3セダンが初めて正規輸入されました。モデルコードは2ドアクーペが(E92)、4ドアセダンが(E90)、カブリオレ(E93・日本未導入)となります。BMWの各モデルには、BMW Mが開発したパーツを装着したM Sportがありますが、これとは違い、M3をはじめとしたMモデルはエンジン、ボディ、足回りなど全てに渡って手を入れたハイパフォーマンスモデルです。現行モデルM4クーペ/M3セダンの登場によって値落ちが進んだM3(E90/E92)の中古車事情と魅力を紹介しましょう。
BMW M3セダン 中古車検索(掲載数国内最大級! BMWの中古車が8500台以上)
BMW M3モデル(E90/E92/E93)のモデル変遷
4L V型8気筒エンジン搭載し、ボディは大幅にボリュームアップ
4代目M3クーペ(E92)は2007年9月に日本に導入されます。ボディサイズは全長4620mm×全幅1805mm×全高1425mmと3代目M3(E46)と比べると、全長で+130mm、全幅+25mm、全高+55mmと全体的にボリュームアップしています。4代目M3クーペ(E92)の最大の特徴は、搭載されるエンジンは3代目M3(E46)までの直列6気筒DOHCエンジンから新開発の最高出力309kW(420ps)を発生するV型8気筒DOHCエンジンに変更したことです。3代目M3(E46)でも限定車でV型8気筒エンジンを搭載したものはありましたが、標準搭載は初めてのことでした。パワフルなエンジンによって、0から100km/h加速は4.8秒という圧倒的な速さを誇ります。また、最高出力を発揮する回転数は8300rpmという高回転型ながら、低回転域から十二分のトルクを発生するので、街乗りでもそのパワフルさを味わうことができます。エンジン本体以外で注目のメカニズムが、エネルギー回生システムの採用です。アクセルオフやブレーキング時に発生したエネルギーを回生することで、バッテリーを充電する仕組みです。この結果、発電機の負担をなくしパワーや燃費の向上に寄与しています。また、オプションとして電子制御サスペンションやトラクションコントロール、さらにはエンジンのレスポンスも画面を見ながらドライバーが調整できるM Driveも採用されました。ボディには軽量化のためカーボン製ルーフを採用し、ボンネットのパワーバルジ、そしてアイデンティティとも言える、フロントフェンダー後方のエア排出用のスリットなどがベース車とはことなるM3独特の特徴です。インテリアでもフルスケール330km/hのスピードメーターがその実力を伺わせますが、レザーの内装や全席シートヒーター、カーナビゲーションやオーディオを集中コントロールできるiDriveなどを備え、走行性能だけでなく高級車としての演出も施されています。
BMW M3(E90/E92)ボディサイズ・車両重量
グレード名 | 生産期間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|---|
M3クーペ | 2007年9月〜2008年10月 | 4,620mm | 1,805mm | 1,425mm | 1,630kg |
2008年11月〜2010年4月 | 4,620mm | 1,805mm | 1,425mm | 1,630kg | |
2010年5月〜2013年11月 | 4,620mm | 1,805mm | 1,425mm | 1,630kg | |
M3セダン | 2008年3月〜2008年10月 | 4,585mm | 1,815mm | 1,435mm | 1,640kg |
2008年11月〜2010年4月 | 4,585mm | 1,815mm | 1,435mm | 1,640kg | |
2010年5月〜2013年11月 | 4,585mm | 1,815mm | 1,435mm | 1,640kg |
BMW M3(E90/E92)エンジンスペック
グレード名 | 搭載エンジン | 最高出力 | 最大トルク | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|
M3クーペ | 4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.4km/L(10・15) |
4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.4km/L(10・15) | |
4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.2km/L | |
M3セダン | 4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.4km/L(10・15) |
4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.4km/L(10・15) | |
4LV型8気筒DOHC | 309kW(420ps) | 400Nm(40.8kg-m) | 8.2km/L |
一部改良で燃費性能を向上させるアイドリングストップ機構を装備
クーペ登場の約半年後の、2008年3月にはM3として初めての4ドアセダン (E90)が追加されました。M3セダン(E90)にはカーボン製のルーフが採用されていませんが、その他のパワーユニットや仕様は基本的にクーペと同じです。また、翌2008年6月には、それまで6MTのみの設定だったミッションにセミオートマチックのM DCT ドライブロジックが追加されました。これは自動変速モードがありAT限定免許でも運転可能なトランスミッションです。7段に多段化されたギアと相まって加減速性能だけでなく燃費向上にも貢献しています。さらに2010年5月にはエンジンのオート・スタート/機能も追加し、信号待ちや停車時にエンジンを自動的に停止させることで、燃費を向上させ、ひいてはCO2の排出量抑制にも効果があります。この後は、4代目M3クーペ(E90/E92)は2014年の生産終了まで、いくつかの限定モデルが登場しますが、M3クーペは12月に発表されたM4クーペへと移行します。
中古車の在庫情報
流通量は増加、価格も新車の半額レベルで今が買い!
M3は非常に人気の高いモデルではありますが、ハイパフォーマンス故に新車時の車両価格も高額で中古車の流通台数は多くはありません。2016年2月時点での中古車の流通台数はM3クーペが113台、M3セダンが25台と世代が多いクーペの方が多くなっています(記事内での中古車データは2016年2月に調査した数値)。そのうち4代目M3クーペ(E92)は50台、M3セダン(E90)は14台でクーペ、セダンともに半数を占めています。まず、M3クーペ(E92)から見てみましょう。2014年に導入された後継モデルのM4クーペ(F82)の中古車の流通台数の増加によって、3ヵ月前の2015年11月当時は560万円だった平均価格が、現在では500万円付近まで値落ちしています。M3クーペは高い人気に支えられて、値落ちしづらいモデルなだけに、この値落ち幅は注目です。続いてはM3セダン(E90)ですが、クーペ同様に後継モデル、M3セダン(F80)の中古車の増加によって、3ヵ月前の2015年11月当時は500万円でしたが、488万円と値落ちしています。M3セダン(E90)の中古車はそもそも流通台数が少ないので、振れ幅が大きくなりやすいですが、こちらも値落ち傾向の今が買い時と言えます。
M3の中古車はファーストイヤーの2007年から2008年式に集中
それではグレードを見てみましょう。M3クーペ(E92)、M3セダン(E90)ともに1グレードのみの設定で、搭載されているミッションが6MTかM-DCTの違いとなります。M3クーペ(E92)は2007年に導入された際には6MT車しかありませんでしたので、年式の古い中古車はMT車が多く、年式の新しい中古車はM-DCTが多いです。その比率はほぼ50%ずつで、ハイパフォーマンスモデルのM3だけにMT車の比率が高いです。一方のM3セダン(E90)は圧倒的にM-DCTが多く、約86%を占めています。クーペはどちらのミッションを選ぶことができますが、セダンでMTを探すのは少々厳しくなっています。続いて年式を見ていましょう。M3クーペ(E92)は導入された2007年式が10台でピークは2008年の15台です。その後2009年から2011年までは6から7台が流通していますが、2012年そして2013年式はわずか3台ずつと高年式車は少ないです。一方のM3セダン(E90)は導入された2008年がピークで7台ありますが、その後は1台から3台と流通台数は少なめです。
クーペよりセダンのほうが走行距離は多い
続いては走行距離を見てみましょう。まずは、M3クーペ(E92)です。走行距離は少ないもので1万km、多いもので10万kmオーバーというものもありますが、最も多いのが2万~3万kmというレンジで13台流通しています。そのほかは1万~7万kmまでが8台~9台と安定した流通台数となっています。年式を考えると、走行距離の少ない中古車が多いようです。一方のM3セダン(E90)は走行距離を見てみると、4万~5万kmという中古車が最も多くなっています。1万~2万kmという少ないレンジでも、5万~7万kmという多いレンジでも2~3台と同じ流通台数となっています。走行距離がM3セダン(E90)のほうが多いというのが平均価格の違いにも表れているのでしょう。ここで、M3(E90/E92)の中古車をまとめてみると、クーペ、セダンともに平均価格以下の400万円台で走行距離は5万km以下というのが狙い目の中古車となりました。
トランスミッションによる価格差は小さい
この条件で早速中古車を検索してみるとM3クーペ(E92)は15台ヒットしました。ボディカラーは黒が最も多く、白、シルバーの3色で、ミッションは6MTが8台、M-DCTが7台とちょうど半々になっています。走行距離は2万~4.8万kmとまだメンテナンスを気にするような走行距離でもありませんし、中には安心感の高いディーラーの認定中古車もあります。一方のM3セダン(E90)は400万円台で走行距離は5万km以下で検索すると6台がヒットしました。こちらのボディカラーは6台中5台が白で黒が1台とクーペとは大きく比率が異なります。ミッションは6MTが2台、M-DCTが4台ですが、ミッションの違いによる価格差はほとんどありません。5代目M3(E90/E92)は新車時の半額程度に下がっているものの、多くの中古車が走行距離5万km以下という高コンディション車ばかり。Mモデルの圧倒的なパフォーマンスを考えるとこの価格はバーゲンプライスと言えます。
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