はじめに
BMW Mシリーズの中では歴史が浅く、真のM6はまだ2世代のみ
BMWのレース部門を担当するBMW M社がラグジュアリークーペ/4人乗りオープンカーの6シリーズに手を加え、ハイパフォーマンスモデルへと生まれ変わらせたのがBMW M6です。M6というモデル名は初代6シリーズ(E24)時代に登場します。BMW M社が初めて製造した市販車であるM1のエンジンを搭載し1984年に登場したM635CSiをアメリカと日本ではモデル名を変更してM6として1986~1989年まで販売していました。エンジンはBMW M社が手掛けていましたが、現在のMモデルとは異なり、細部まで手が加えられていませんでした。M社がエンジンやサスペンションだけでなく、ボディまで手を加えた正真正銘のM6は2003年から日本に導入された2代目6シリーズ(E63/E64)の時代に登場します。2005年9月に2ドアクーペのM6クーペが、そして2006年9月に4シーターオープンカーのM6カブリオレが導入されました。2012年に導入された2代目M6(F12/F13/F06)の中古車が増えたことで、買いやすくなった初代M6(E63/E64)の最新の中古車事情と魅力を紹介しましょう。
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BMW M6(E63/E64)のモデル変遷
F1譲りのV型10気筒エンジンを搭載し、徹底的な軽量化を行う
2005年9月に日本に導入された初代M6クーペ(E63)、そして2006年9月に導入された初代M6カブリオレ(E64)ともに同じエンジンを搭載しています。エンジンは2004年11月に導入されていた4代目M5(E60)と同じ、F1テクノロジーがフィードバックされ、当時BMW市販車史上最強と謳われた5L V型10気筒DOHCでした。最高出力373kW(507ps)、最大トルク520Nmと圧倒的なパワーを誇ったエンジンですね。初代6シリーズ(E24)に設定されていたM6(M635CSiの名称変更されたモデル)に搭載されていた3.5L直列6気筒エンジンも当時のツーリングカーレースで活躍していたことを考えると、M6に搭載されているエンジンは世代が変わってもサーキットで培われた技術がフィードバックされていることがわかりますね。初代M6(E63/E64)に搭載された5L V型10気筒エンジンの注目のポイントは、373kW(507ps)という最大出力を発生させる回転数にあります。5Lという大排気量エンジンながら7750rpmという高回転域で発生する超高回転型エンジンなのです。この高回転型エンジンに組み合わされるミッションは、AT免許で運転できる2ペダル7速MT(セミAT)のSMGドライブロジックです。
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M6クーペはカーボン製ルーフを採用、軽量化を図る
初代M6クーペ(E63)のボディサイズは全長4870mm×全幅1855mm×全高1370mmで、4代目M5(E60)と比較すると、全長は同じですが、全幅は+10mm、全高は−100mmとクーペらしい、ワイド&ローのフォルムとなっています。外観ではM6はM5の2ドアクーペモデルと思うでしょうが、実はCFRP(炭素繊維強化樹脂)製のルーフやアルミ製エンジンフード、フロントサイドの熱可塑性樹脂素材などの採用により徹底した軽量化・低重心化が図られています。この結果、車両重量はM5(E60)の1880kgに対して、1820kgと60kg軽くなっていて、0-100km加速はM5(E60)を0.1秒凌ぐ4.6秒を実現しています。クリス・バングルが手掛けたエクステリアデザインのシルエット自体はノーマルの6シリーズ(E63)と大きく変わりませんが、373kW(507ps)というハイパワーをFR(後輪駆動)のため、後輪だけで路面に確実に伝えるため、リアタイヤには285/35ZR19という極太サイズのタイヤが装着されています。インテリアは最高級のメリノレザーを使ったシートや特殊加工を施したウッドパネルなどラグジュアリークーペらしい雰囲気に満ちています。SMGのプログラム変更や、可変ダンパーのモードを切り替えることで、リアルスポーツカーとしての走りも、大切な人を乗せて街中を流すジェントルな走りも両立できるのが初代M6クーペ(E63)の魅力です。
クーペと同じ仕様のカブリオレを追加
初代M6クーペ(E63)がデビューした翌年、2006年9月には4シーターオープンモデルのM6カブリオレ(E64)も日本への導入が開始されました。エンジンやミッションなどのパワートレインをはじめ、サスペンション、タイヤサイズなどは同一となっています。そしてM6カブリオレ(E64)は2代目6シリーズカブリオレ(E63/E64)と同様に防音・断熱構造のフルオートマチック・ソフトトップが採用されました。ボタン操作一つでソフトトップは約25秒で開閉でき、リアウインドウはガラス製で熱線機能も備えています。そして初代M6(E63/E64)は2007年11月にマイナーチェンジを行い、フロントとリアのデザインが小変更、ターンインジケーターはLEDに変更されました。インテリアの色や素材も変更、さらに安全装備としてのアクティブヘッドレスト、快適装備ではコンフォートアクセスや音声入力システムなどが追加されています。仕様変更はこの一度だけで、2010年に生産終了が発表されました。
BMW M6(E63/E64)ボディサイズ・車両重量
グレード名 | 生産期間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 |
---|---|---|---|---|---|
M6クーペ | 2005年9月〜2007年10月 | 4,870mm | 1,855mm | 1,370mm | 1,820kg |
2007年11月〜2012年3月 | 4,870mm | 1,855mm | 1,370mm | 1,820kg | |
M6カブリオレ | 2006年9月〜2007年10月 | 4,870mm | 1,855mm | 1,370mm | 2,010kg |
2007年11月〜2012年3月 | 4,870mm | 1,855mm | 1,370mm | 2,010kg |
BMW M6(E63/E64)エンジンスペック
グレード名 | 搭載エンジン | 最高出力 | 最大トルク | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|
M6クーペ | 5LV型10気筒DOHC | 373kW(507ps) | 520Nm(53kg-m) | – |
5LV型10気筒DOHC | 373kW(507ps) | 520Nm(53kg-m) | – | |
M6カブリオレ | 5LV型10気筒DOHC | 373kW(507ps) | 520Nm(53kg-m) | – |
5LV型10気筒DOHC | 373kW(507ps) | 520Nm(53kg-m) | – |
BMW M6(E63/E64)の中古車情報
相場は新車の3分の1、希少モデルだけに長い目で探すことが重要
初代M6(E63/E64)はクーペ、カブリオレともに新車時価格が1500万円を超える高額モデルでした。BMWの中古車は全モデル合計で約8500台流通していますが、M6はクーペとカブリオレを足してもわずかしか流通していないレアなモデルです。M6クーペの中古車の約53%が初代M6クーペ(E63)、M6カブリオレの中古車の約58%が初代M6カブリオレ(E64)となっています。それでは、まず中古車相場の平均価格の推移を見てみましょう。初代M6クーペ(E63)は3ヶ月前の2015年11月当時、平均価格は395万円でした。その一気に値上がりし、ピーク時は435万円付近まで値上がりしたものの、その後は値落ちに転じて、現在では420万円付近をキープしています。一時の高騰は過ぎましたが、3ヶ月前と比べると値上がりしています。一方の初代M6カブリオレ(E64)は3ヶ月前の2015年11月当時の平均価格は490万円でした。その後、順調な値落ちが進み現在では443万円付近まで下がっています。M6クーペが値上がりしているのに対して、M6カブリオレは値落ちと動きが全く反対になっています。これは冬になるとオープンカーの相場が下がるということも少なからず関係しているのではないかと推測します。
年式は2006~2008年に集中。走行距離はまちまち
続いては年式を見てみましょう。初代M6クーペ(E63)の中古車は2006年式と2007年式が中心となっています。2006年式が8台、2007年式が6台となっていて、その他の年式は1~2台で見つけるのは至難の業です。一方の初代M6カブリオレ(E64)は2007年と2008年式しかありません。2007年式が5台、2008年式は2台です。それでは、走行距離を見てみましょう。まずは初代M6クーペ(E63)ですが、走行距離1万~9万kmまで流通台数はほぼ均等に割れています。そして初代M6カブリオレ(E64)は5000~7000kmという非常に走行距離が少ない中古車もありますが、2万~9万kmと分かれています。ボディカラーはクーペが黒と白がほぼ半数ずつでシルバーが少々ありますが、カブリオレはほぼ黒が占めていて、白は1台という状況です。ここで、初代M6(E63/E64)の中古車の狙い目についてまとめてみましょう。クーペは予算450万円以下で年式は2006年か2007年式。カブリオレは予算450万円以下で年式は2007年か2008年式。この条件で検索してみましょう。
特別オーダーのインディビジュアルも流通
まず、初代M6クーペ(E63)を予算450万円以下で年式は2006年か2007年式で検索してみると、12台ヒットしました。価格帯は278万~448万円で、走行距離が7万kmを超えると200万円台となります。400万円前後だと走行距離は4万km以下の中古車が多くなり、中にはインディビジュアルカラーで白のボディカラーにオレンジの本革シートというこだわりの中古車あります。一方の、初代M6カブリオレ(E64)は予算450万円以下で年式は2007年か2008年式という条件だと3台がヒットしました価格帯は400万~449万円です。この価格レンジだと走行距離が5万kmを超えた中古車しかありませんが、460万円にアップすれば、5万km以下の中古車が手に入ります。こちらも黒のボディカラーでオレンジの本革シートというインディビジュアル仕様も見つけることができます。
購入後のメンテ費用や工場も考えておきたい
2012年4月に登場した2代目M6(F12/F13/F06)に搭載されているエンジンがダウンサイジングされた4.4L V型8気筒ターボを搭載したこともあり、スムーズでどこまでも吹き上がっていきそうな、大排気量自然吸気エンジンを搭載する初代M6(E63/E64)の魅力はかけがえのないものです。クーペ、カブリオレともに平均価格は新車時の3分の1以下に下がっていますし、今後これ以上相場が下がることは考えにくいことからも、今が購入チャンスといえるかもしれません。しかし、高額なモデルゆえに、あせらずにじっくり比べて選ぶことが大事ですし、購入後のメンテナンスしてもらえる工場などを探しておくことをオススメします。もし近くにBMWに精通した販売店があるなら、そこに依頼して長い目で探してもらうのも賢い手段です、その間に得られるBMWについての知識や、販売店との信頼関係は購入後のカーライフにきっと役立つことでしょう。
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