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- 掲載:2016/1/12 |
BMW1シリーズの新旧モデルの違いを徹底解説(旧型[E87]、現行型[F20])
目次
後輪駆動らしい軽快な走りは不変のBMW1シリーズ
1シリーズはBMWブランドのエントリーモデルです。エントリーモデルといってもBMWの掲げる「駆け抜ける歓び」を体感できる高い走行性能は健在で、BMWの単なる入門モデルではありません。先代1シリーズ(E87)では5ドアハッチバックに加えて、2ドアクーペ、カブリオレの3タイプを用意していました。しかし、現在ではモデルが細分化され、現行型(F20)ではBMW1シリーズは5ドアハッチバックのみとなりました。先代(E87)にあった2ドアクーペやカブリオレは現行モデルでは2シリーズクーペ・カブリオレとなっています。そこで、今回の新旧比較は1シリーズのハッチバックで進めていきたいと思います。
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BMW1シリーズの歴史
クラス唯一の駆動方式を採用したBMWのエントリーモデル
初代BMW1シリーズ(E87)は2004年10月に日本に導入された5ドアハッチバックです。VWゴルフやアウディA3などと同じCセグメントというカテゴリーに属しますが、このクラスで唯一後輪駆動のFR車としてBMWらしい独自性を主張しています。ベースとなっているのはE90型の3シリーズで、高い走行性能を支える50:50の車両重量の前後バランスを継承しています。全幅が1750mmに抑えられた1シリーズ(E87)は当時全幅が拡大し、立体駐車場を使用できなくなった3シリーズユーザーの受け皿として人気になりました。リアのサスペンションにアルミ部品の採用や、パンクをしても約80kmは走行可能なランフラットタイヤをクラスで初めて採用するなど新しい挑戦を行っています。デビュー当時のエンジンラインナップは最高出力85kW(115ps)の1.6Lと、最高出力が95kW(129ps)、110kW(150ps)という異なる2つの仕様の2L直列4気筒の2種類、3タイプでした。2005年10月に最高出力195kW(265ps)を発生する3L直列6気筒エンジンを搭載する130iMスポーツを追加しています。また、2007年には内装の質感の向上や外観のバンパーデザイン、ヘッドライト周りのデザインを変更するマイナーチェンジを行っています。この時に118iは生産中止となりました。そして、2010年には1.6L及び2Lエンジンが改良され、直噴そして希薄燃焼技術(リーン・バーン)が採用され、約10%の出力向上と約25%の燃費改善が実現しました。
高い走行性能だけでなく、安全性能と燃費に磨きをかけた現行のBMW1シリーズ(F20)
2011年6月、デビューから7年でプレミアム・コンパクトカーの1シリーズはフルモデルチェンジを行い、現行型 (F20)が日本に導入開始となりました。先代1シリーズ(E87)と同様にクラス唯一のFR(後輪駆動)を採用した5ドアハッチバックという独自性は変えず、さらに安全性能や燃費性能が向上しています。現行型(F20)から、BMWの新しいデザインコンセプトであるデザインラインを採用しました。スタンダード、スポーツ、スタイル、Mスポーツが設定され、エクステリアデザインをはじめ、インテリアパーツ、それぞれのモデルの特別な装備を採用することで、ユーザーの多様化するニーズに対応しています。
搭載されているエンジンは最高出力100kW(136ps)と125kW(170ps)の2つの異なる仕様がある1.6L直列4気筒ターボです。先代の(E87)は2L自然吸気エンジンが主力でしたが、現行型(F20)では排気量がダウンサイジングされています。また、アイドリングストップ機構やブレーキ回生システムなどBMWの環境技術エフィシェントダイナミクス技術を採用し、高い燃費性能を実現しました。2012年8月よりBMWのレース部門を担当するM社がチューニングを施した最高出力235kW(320ps)を発生する3L直列6気筒ターボが追加されます。そして2015年5月にマイナーチェンジを行い、エクステリアデザイン変更をはじめ、シリーズ初となる1.5L直列3気筒ターボが搭載されました。
BMW1シリーズ 新旧モデルでのボディの違い
ボディサイズの拡大に伴い、目に見えないトレッド幅まで拡大するこだわり
続いてはボディサイズについてお話しましょう。先代(E90)の3シリーズの全幅が1800mmを超えてしまい、立体駐車場を使用しているユーザーが先代(E87)の1シリーズを購入したということに触れましたが、先代(E87)は全長4240mm×全幅1750mm×全高1400mmでした。一方の現行型(F20)は全長4340mm×全幅1765mm×1全高1460mmと全長で100mm、全幅が15mm、全高が60mm大きくなっていますが、取り回しの良さはほぼ変わっていません。注目して欲しいのはクルマの左右の車輪の中心間距離であるトレッドの数値です。一般的に数値が大きい、広い方がコーナリング性能の向上など様々な効果があるのですが、先代(E87)の1シリーズのトレッド幅はフロントが1480mm・リアが1495mmに対して、現行型(F20)はフロントが1515mm・リアが1550mmとワイドになりました。
標準装着するタイヤサイズを見てみると、先代(E87)の120iは205/55R16、現行型(F20)の120iは225/45R17を装着しています。これはパワーアップしたエンジンの出力に合わせて操縦安定性やコーナリング性能を向上させるために、トレッドを広げてタイヤサイズを大きくしたといえるでしょう。一般的に幅の広いタイヤを装着すると最少回転半径が大きくなるのですが、トレッド幅を広くしているため幅の広いタイヤを装着した現行型(F20)の120iは先代(E87)の120iと同じ5.1mの最少回転半径となっています。また、ラゲージスペースは先代(E87)が5人乗車時で330L、現行型(F20)が5人乗車時で360Lと大きくなり、ユーティリティの向上に貢献しています。ボディサイズが大きくなり、ホイールベースも先代(E87)の2660mmから2690mmへと30mm延びましたが、1シリーズ特有のキビキビとした走りは健在で、ボディサイズやトレッド幅の拡大によって安定感がプラスされました。
現行型(F20)120i Mスポーツ | 先代(E87)120i Mスポーツパッケージ | |
---|---|---|
全長 | 4,340mm | 4,240mm |
全幅 | 1,765mm | 1,750mm |
全高 | 1,430mm | 1,400mm |
ホイールベース | 2,690mm | 2,660mm |
車両重量 | 1,440kg | 1,410kg |
トランク容量 | 360L | 330L |
BMW1シリーズ 新旧モデルのエクステリアの違い
先代1シリーズ(E87)
現行1シリーズ(F20)前期
現行1シリーズ(F20)後期
フロントマスクは精悍にそしてリアは横長のコンビネーションランプで安定感を演出
先代(E87)と現行型(F20)の違いを挙げると、フロントマスクではキドニーグリルが大型化したこと、ヘッドライト形状の変更が特徴的です。現行型(F20)も2015年8月にマイナーチェンジが行われ、LEDヘッドライトを採用した現行型後期モデルは先代(E87)と同様につり目のヘッドライトとなりました。前期型の垂れ目に見えるヘッドライトはかなりインパクトがあり、そこは好みが分かれるでしょう。サイドは現行型(F20)のフロントからドアを通ってリアに延びるキャラクターラインがさらに強調され、コントラストが強くなりましたが、基本的には先代(E87)のデザインを踏襲したものといえます。リアのコンビネーションランプは先代(E87)が縦型だったのに対して、現行型(F20)はほかのBMWモデルと同様に横型のコンビネーションランプを採用。リアのフェンダーまで回り込んだデザインとなりました。これによって、現行型(F20)はサイドのキャラクターラインで低重心さを強調し、リアフェンダーまで回り込んだコンビネーションランプでよりワイドボディに見せる視覚効果を生んでいます。
BMW1シリーズ 新旧モデルのインテリアの違い
BMW1シリーズ(E87)
BMW1シリーズ(F20)
先代で指摘されたリアシートの居住性が大幅に改善
ドライバー中心の設計と水平基調採用している点は変わっていませんが、現行型(F20)ではセンターパネルを傾けるなどよりドライバーを中心とした変化が進みました。先代(E87)のインパネデザインはセンターを高くして両サイドへ下がり、より視界を広く見せるものでした。一方の現行型(F20)は逆に両サイドに向かって盛り上がっていくようなデザインを採用しています。このデザインはより室内を広く見せる効果があります。そして、ホイールベースが30mm長くなったことで現行型(F20)はリアの居住性がかなり向上しました。先代(E87)もこのクラスとしては十分広かったのですが、現行型(F20)は全高も高くなり、後部座席の頭上のスペースにも余裕が生まれています。1シリーズもグレードによる装備差が大きいので1つ1つあげているときりがないのですが、ディスプレイの大型化やシフトノブの進化、電気式パーキングブレーキの採用など電装系の進化も大きいといえるでしょう。
BMW1シリーズ 新旧モデルのエンジンの違い
高出力と低燃費を両立させた小排気量化されたターボエンジンが主力
それではエンジンを見てみましょう、先代(E87)が過給器(ターボ)を使用しない自然吸気(NA)エンジンを搭載していたのに対して、現行型(F20)は、過給器を使用したターボエンジンがメインとなっていることが大きな違いです。ターボエンジンのメリットは低回転から大きなパワーを発生し、加速がよりスムーズになること。そしてエンジン排気量を小さくすることができ、燃費性能が向上することです。先代(E87)は130iに搭載される3L直列6気筒エンジンを筆頭に120iに搭載される2L直列4気筒、116iに搭載される1.6L直列4気筒の3種類が用意されていました。(前期モデルにあった118もエンジンは2L直列4気筒)。一方の現行型(F20)は135iに搭載される3L直列6気筒ターボをはじめ、120iに搭載される1.6L直4ターボ、118iに搭載される1.5L直3ターボとこちらも3種類用意されています。
ここでは主力モデルといえる120iで比較してみましょう。先代(E87)120iに搭載される2L直列4気筒DOHCエンジンは最高出力125kW(170ps)、最大トルク210Nmを発生し、6速ATと組み合わされてJC08モード燃費は13.4km/Lとなっています。現行型(F20)120iに搭載されている1.6L直列4気筒ターボは最高出力130kW(177ps)、最大トルクは250Nmを発生し、8速ATと組み合わされることでJC08モード燃費は16.8km/Lを実現しています。排気量が400ccダウンサイングされているにもかかわらず、最高出力は7psアップ、最大トルクは40Nmもアップしているにも関わらずJC08モード燃費が3.4km/Lも向上しています。加速性能に影響する最大トルクを先代(E87)は4250回転で発生するのに対し、現行型(F20)は1500~4500回転で発生します。これが何を意味するのかというと、発進加速が良いことや追い抜き等の際にアクセルを踏むと素早く加速するということです。昔はターボエンジンは燃費が悪いと言われていましたが、燃料を燃焼室に直接噴射するダイレクトインジェクションの進化によって、もうすでにそれは過去の話となりました。
現行型(F20)120i Mスポーツ | 先代(E87)120i Mスポーツパッケージ | |
---|---|---|
エンジン | 直列4気筒DOHCターボ | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1,598cc | 1,995cc |
最高出力 | 130kw(177ps) | 125kw(170ps) |
最大トルク | 250N・m (25.5kg-m) | 210N・m (21.4kg-m) |
タンク容量 | 52L | 50L |
JC08モード燃費 | 16.8km/L | 13.4km/L |
BMW1シリーズ 新旧モデルのグレードの違い
先代(E87)と現行型(F20)では安全装備に大きな差がある
グレードは先代(E87)ではスタンダードをはじめ、専用のサスペンションや空力特性を高めエアロパーツを装着したMスポーツパッケージ、本革シートをはじめ豪華装備が魅力なハイラインパッケージの3種類が設定されていました。現行型(F20)ではデザインラインに基づいてスタンダード、スポーツ、スタイル、Mスポーツと4種類が用意されています。さらに、安全装備ではカメラで前方の監視を行い安全運転に貢献するドライビング・アシストを一部グレードを除き、標準装備となりました。また、現在では必需品となったITS(DSRC)対応機能付ETC車載機システムや車載の通信モジュールを利用し、乗員の安全と車両状態を見守るBMWコネクテッドドライブスタンダードが標準装備されるなど、現行型(F20)の安全装備の進化は見逃すことはできません。
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