- ミニクーパー 購入ガイド
- 掲載:2015/10/29 |
新型ミニクラブマン(F54)の賢い選び方
こんにちは、兵庫県神戸市にあるMINI三宮の大川と申します。今回、CLUB CARSさんからの依頼を受け、新型クラブマン(以下、クラブマン)についてお話させていただくことになりました。今週末の全国のディーラーでのお披露目に向けて、そろそろ各ディーラーにもクラブマンが配車されはじめましたね。
昨日、MINI三宮にもクラブマンがついに到着しました! 実は私は先代のクラブマン(R55)のオーナーだったことがあります。先代のミニ3ドア(R56)→先代クラブマン(R55)→ミニクロスオーバー(R60)と子供の成長に合わせてミニを乗り継いできました。編集部の方がそういった経緯をご存知なので、私が新型クラブマン(以下、クラブマン)にどういう印象を持ったのかを話して欲しいのでしょう。ですので、私がクラブマンを試乗した際に感じたことを含めて、率直にお話させていただきますね。
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MINI 三宮
大川 博之さん
MINI 三宮のセールスコンサルタント。ハッチバック、クラブマン、クロスオーバーと乗り継ぎ、現在はミニクーパーD ペースマンを所有。子供の成長に合わせてミニを乗り換えてきており、ファミリーのメインカーとしてのミニの使い勝手については実生活で経験しており、非常に頼りになる。
新型クラブマンのボディサイズ
後部ドアを装備し、5名乗車になったクラブマン
まずは先代クラブマンオーナーが話題にしているボディサイズからお話しましょう。個人的には今回のクラブマンのボディサイズが大きくなったのは大歓迎です。私はミニのコンパクトさと独特のゴーカートフィーリングが好きで、先代のミニ3ドア(R56)に乗り始めました。しかし、家族が増え、ミニに実用性も必要になり、先代クラブマン(R55)→クロスオーバーと乗り換えてきました。
先代クラブマンのワゴンとしてはコンパクトなサイズは非常に魅力的で、先代のミニ3ドア(R56)のような軽快さと少し長いホイールベースから来る安定感も絶妙な面白さを感じていました。ただ、子供が産まれると「チャイルドシートを載せるにはやはり4ドア…」、「もう少し荷物の積載性もいい車が…」となってくるんですね。そういうワケで、ボディサイズが大きくなり、乗車定員が5名になったのは大歓迎です。私がクラブマンに乗り換えた当時に今のクラブマンがあれば…と感じています。
クラブマンのボディサイズはMINIの従来モデルと比較すると確かに大きくなりました。しかし、一般的な車と比較してみると大柄な車ではありません。世界で最も人気のあるボディサイズカテゴリ(いわゆるCセグメント)になります。ヨーロッパやアメリカではこのサイズの、しかもミニらしいデザインの車を求める声が高く、メーカーがそれに応えたモデルが今回のクラブマンや2016年に発表予定の新型クロスオーバー(F60)です。ライバルとされる他メーカーの車とクラブマンのサイズ比較についてはこちらの記事にクラブマンの歴史と一緒にまとまっていますのでご覧ください。
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ミニ5ドア、クロスオーバーとクラブマンの比較
先代クラブマン | 新型クラブマン | ミニ5ドア | クロスオーバー | |
---|---|---|---|---|
全長(mm) | 3,980 | 4,253 | 4,000 | 4,105 |
全幅(mm) | 1,685 | 1,800 | 1,725 | 1,790 |
全高(mm) | 1,440 | 1,441 | 1,445 | 1,550 |
ホイールベース(mm) | 2,545 | 2,670 | 2,567 | 2,595 |
最少回転半径 | 5.5m | 5.5m | 5.5m | 5.8m |
トランク容量 | 260L | 360L | 278L | 350~450L |
クラブマンとクロスオーバーのサイズ比較
クラブマンはサイズではクロスオーバーより全長で+156mm、全幅で+11mm、ホイールベースが+75mmとなっています(全高は-103mm)。しかし、積載性は車高の違いなどもあって-90Lとなっています(それでも360Lと充分な容量は確保されています)。先日、クラブマンの営業研修があり、そこで確認してきましたが、ファミリー層の方が気になる後部座席のスペースはクロスオーバーの後部座席とほぼ同じでした(計測してみるとシートの横幅はクラブマン140㎝、クロスオーバー137㎝)。
足元のスペースが若干クロスオーバーの方が広い印象ですね(クラブマンが約30㎝、クロスオーバー約35㎝)。クロスオーバーより10㎝以上全高が低いクラブマンで後部座席に窮屈感を感じないのは、ラゲッジスペースと後部座席のスペース配分にメーカーが非常にこだわったのが伝わってきます。ちなみに、私は身長175㎝なのですが、後部座席に座っても天井にはまだコブシ1つ分ほどの余裕がありました。背の高い人が後部座席に座っても大丈夫ですよ。気になる人はディーラーを訪れた際に実際に座ってみてください。
ミニの5名乗車モデル、それぞれの個性について
クラブマンの登場で、5名乗車のミニはクロスオーバー、ミニ5ドアハッチバック(以下、ミニ5ドア)、クラブマンの3モデルになりました。それぞれに個性があり、特に上品さとラグジュアリーさが魅力のクラブマンは他モデルと競合することはあまりないと思いますが、簡単に魅力の違いもお話させてください。クロスオーバーはミニ5ドアやクラブマンのような丸いヘッドライトを採用しておらず、独自のデザインを採用しています。SUVモデルなので車高や最低地上高も高く、運転席の視点の高さから運転した感覚も他の2モデルとは違います。クリーンディーゼルモデルが設定されているのもクロスオーバーの特徴ですね。
ミニ5ドアとクラブマンの違い
一方、ミニ5ドアとクラブマンは正面や斜め前から見ると、ミニを知らない人には違いがわかりづらいかもしれません。伝統的なミニのデザインは踏襲しつつ、そこにラグジュアリーなデザインや後部のスプリットドアなど独自の機能を投入したのがクラブマンですから、共通したモノを感じるのは当然ですね。しかし、両車を走らせてみると違いはハッキリとわかります。クラブマンにはBMWの2シリーズ アクティブツアラーやX1でも採用されているUKL2というプラットフォーム(フレームや足回りなどボディ以外の部品構成を指します)が採用されました。来年発表予定の新型クロスオーバー(F60)にもこのプラットフォームが採用される予定です。
ミニ5ドアやミニ3ドアにはUKL1というプラットフォームが採用されています。ホイールベースが違うので(ミニ5ドア2,567㎜、クラブマン2,670㎜)、走行中の直進安定性が違ってきます。クラブマンの方が当然ながら安定した走りになりますし、足回りもそういった味付けにセッティングされています。
一方、ミニ5ドアやミニ3ドアはよりゴーカートフィーリングが楽しめる設定になっています。また、ご家族の方にぜひ試して欲しいのですが、ミニ5ドアと比べるとクラブマンは前後のドアが大きく作られており、クラブマンの方が乗り降りしやすいと感じるでしょう。荷物を抱えたまま乗車したり、チャイルドシートにお子さんを乗せたりする際にはこの違いは大きいかもしれませんね。こういった点はクラブマンのボディサイズの大型化の恩恵です。
クラブマンのデザイン
ジェントルでラグジュアリーなデザインに進化したクラブマン
さて、クラブマンのセールスポイントの1つ、無駄のない成熟したデザインについてもお話しましょう。先代と比べ、上品にまとめられたエクステリアのポイントの1つが、先代はルーフと同色になっていたスプリットドア周辺のデザインです。Cピラー(車体後部でルーフを支える柱)がブラック、スプリットドア下部はボディと同色になったことが挙げられるでしょう。先代クラブマンは後ろから見れば明らかにクラブマンだとわかるカラーにデザインされていましたが、新型はリア回りも落ち着いたカラーにまとめられています。
また、フロントグリルについてもミニ3ドアやミニ5ドアと共通するデザインとなっていますが、グリル内部はシンプルにデザインされました。クーパーでもルーバー(フロントグリルに設けられた細長いバー)の本数が減り、クロームパーツも控えめに抑えられています。
インテリアはクラブマン専用設計
インテリアもクラブマン専用設計のデザインで溢れています。コックピット装飾フレームで飾られたダッシュボートや、初採用の電動パーキング・ブレーキ用レバーが配置されたセンター・コンソールなど、従来モデルにはないデザインが採用されました。全体的に上品にまとめられたインテリアは1クラス上の他メーカーの車に乗っている方でも満足いただけるのではないでしょうか。
クラブマンに採用された装備
クーパーSに8速ATを採用
クラブマンのクーパーSにMINIで初めて採用された8速ATもクラブマンのジェントルな走りのイメージをさらに強めてくれる装備です。8速ATというと「シフトタイミングがせわしなくなる?」とイメージする人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。走行状況によりフィットした最適なギアを選択することで、非常に滑らかな加減速が実現しています。高速道路の走行時には8速の真価が発揮され、燃費が向上しているのも見逃せないポイントですね。
新型クラブマンのスペック
クーパー | クーパーS | |
---|---|---|
エンジン |
|
|
最高出力(ps) | 136 ps | 192 ps |
最大トルク(Nm) | 220 Nm | 280 Nm |
0-100km/h加速 | 9.1秒 | 7.1秒 |
最高速度 (km/h) | 205km/h | 228km/h |
燃費 | 17.1km/L | 16.6km/L |
価格(税込) | 344万円 | 384万円 |
クーパーの6速ATとクーパーSの8速ATは皆さんの好みもあるでしょうから、両方を試乗してみてご判断ください。ちなみに、MINI三宮では系列のMINI姫路とでクラブマンのクーパーとクーパーSの試乗車を用意しています。定期的に店舗間でクーパーとクーパーSの試乗車を入れ替えますので、両方を試していただけますよ。クーパーとクーパーS では6速AT、8速ATの違いだけではなく、直列3気筒、直列4気筒のエンジンの違いも楽しめます。スペックが低く見えるクーパーも、3気筒エンジンらしい低速トルクの立ち上がりの良さが、皆さんの想像を超える走りを実現しています。
小回りの良さは先代と同等
ボディサイズの大型化に伴って皆さんが気にする小回りの良さについても触れさせてください。クラブマンの最少回転半径はミニ5ドアと同じ5.5mで先代クラブマンと同じ数値です(クロスオーバーは5.8m)。試乗の際に交差点を曲がったり、Uターンをしたりしてみれば想像以上に小回りが効くことに驚くことでしょう。「サイズが大きくなり、乗りにくくなったんじゃないの?」という人にこそ、クラブマンの試乗をオススメします。
インテリアに採用されたクラブマンの新機能
インテリアに採用された新機能を紹介しますと、運転席メモリー機能付き電動調節シート(設定したシートポジションを記憶させる機能)はミニでは初採用となります。リモコン操作で右側のスプリットドアを開く機能(コンフォート・アクセス・システム)は先代と同様にメーカーオプションで用意されています。そのコンフォート・アクセス・システムの追加機能として、鍵を持っている状態で車両下部に足をかざすことで、1度目で右側、2度目で左側のドアが開く機能(イージーオープナー機能)も追加されました。荷物で両手がふさがっているときには便利な機能ですよ。ちなみに、先代クラブマンとの違いを探していて気付いたのですが、左右に開くスプリットドアはドアを閉めた状態だと中央部に黒い縦のラインが入っています。このラインが先代より細くなり、運転席からの後部の視認性が若干上がったように感じました。先代クラブマンオーナーの方が試乗する際にはそちらもチェックしてみてください。
クーパーSとクーパーの装備の違い
クーパーにも純正ナビや17インチホイールを採用
次にクーパーSとクーパーの装備の違いについて紹介しましょう。クラブマンはミニ3ドアやミニ5ドアとは違い、クーパーにも純正ナビが標準装備となっています。クーパー、クーパーSともに17インチホイールが採用されているのは日本独自仕様になります(デザインはクーパーとクーパーSで違いますが)。クーパーSのみ標準となっている装備を紹介すると、LEDヘッドライト、LEDフォグランプ、LEDテールライト、スポーツシート、ETC内蔵自動防眩ミラーですね。インテリアのカラーなど、その他にもクーパーS独自仕様はありますが、代表的なクーパーSのみの標準装備は上記になります。
メーカーオプションに悩んだらペッパーパッケージがオススメ
また、クラブマンにはメーカーオプションがお得なパッケージになったプランが用意されています。ペッパーパッケージとチリパッケージの2種類があるのですが、詳しくはCLUB CARSのこちらの記事をご覧ください。また、日本導入は未定ですが、ヨーロッパではクラブマンのJCW(ジョン・クーパー・ワークス)パッケージがすでにオーダー可能となっていますね。落ち着いたボディカラーがよく似合い、ジェントルなイメージなクラブマンですが、JCWパッケージのスポーティなデザインもなかなか魅力的です。
フランスだけで広報された、クラブマン JCWパッケージの写真がありますので参考までに紹介しておきますね。個人的な印象ですが、クラブマンらしいジェントルさとスポーティさを両立させるには、ピュア・バーガンディー(濃いワインレッド)のボディカラーにブラックルーフを組み合わせるのがオススメだと思うのですが、いかがでしょう?
また、海外での情報ですが、新型クラブマンのジョン・クーパー・ワークス(JCW)のテスト車両が目撃されていますね。JCWだけではなく、ALL4モデルのテストもすでに行われていて、2016年春頃に発売…という噂もあります。海外サイトでの情報なのでどのくらい確度が高い情報なのかはわかりませんが、楽しみですね。
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新型クラブマン公式動画
写真だけではいまいちイメージがわかない、という方のためにオフィシャル動画もご紹介しておきますね。お時間があるときにご覧ください。
最後に
昨年、ニュークラブマンの情報が海外から伝わりはじめた時からボディサイズや横型に変更されたテールライトなどにいろいろな意見がありました。確かに、先代モデルから変更された点もありますが、先代から受け継がれたクラブマンらしさもあります。ニューモデルに賛否両論な意見が出るのは、それだけミニに愛着を持っていただいている方が多いということなので有難いことです。
今週末から全国のディーラーでクラブマンの展示がはじまります。MINI三宮のように早速、試乗車を用意しているディーラーもあるでしょう。何が変わって、何が変わっていないのか、ぜひ皆さんの目で確かめ、時間がありましたら試乗してみてください。きっとクラブマンらしさを感じられるでしょうし、これからのミニに採用されるであろう新しい機能も楽しめますよ。
また、クラブマンが初めてのミニになる方もいらっしゃるでしょう。ミニらしいデザインとご家族で楽しむにも充分な実用性の高さ、そして現行のミニでもっともラグジュアリーにデザインされたのがクラブマンです。クラブマンからミニの世界を知った方は、機会があればミニ3ドアなど他のモデルも試乗してみてください。クラブマンをきっかけにミニの奥深い面白さとじっくりお付き合いいただければ幸いです。
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